ダイト 第七製剤棟
- 用途:医薬品製造工場
- 所在地:富山県富山市
- 延床面積:598.72m2
- 地上:2階
建築設計主旨
ジェネリック原薬および製剤の製造を得意とするダイトの、新しい薬効領域での製剤ビジネス拡大を目的として建設された高薬理活性製剤を扱う新工場です。
既存工場と別敷地に計画されたため、既存に縛られないデザインが可能となりました。
受託先へのアピールとなるよう、以下の3つをコンセプトとしました。
製造エリアを守る安全なRCボックス
高薬理活性剤という危険度の高い物質を扱うため、より気密性の高いRC造を採用しています。
さらに開口を最小限に絞り、室圧管理を徹底するなど、外部への漏洩対策を行うことで安全性を確保しています。
機能がそのまま形態となる明快な施設構成
外観は「製造エリア」のボリュームから、従業員入口・荷捌室・更衣室といった「動線エリア」のボリュームと「機械室エリア」のボリュームが飛び出た形状となっており、3つの機能がそのまま形態に表れています。
また、機能ごとに塗装色を分けることで、明快な構成を増長させています。
さらなる『飛躍』を表現したダブルチューブ
RCボックスから飛び出した躍動感のある2本のチューブは、ダイトの「飛躍」や「挑戦」を表現しております。機能的にも1階のエントランスチューブは庇の役割を担い、2階のウィンドチューブはガラリを風雨から守るフードの役割を担っています。
構造設計主旨
気密性を要求される医薬品工場のため、外周部は必要最小限の開口で計画されており、建物のボリュームに対して壁量が多く、剛性・耐力ともに耐震性の高い建物です。
壁量が多く単調となりがちな外観を、機能エリア毎のボリュームに合わせたRCボックスと2本のチューブをイメージさせるデザインにおいて、設計当初より建築設計と梁の断面とレベルおよびパラペットや袖壁形状などのデザイン要素に繋がる部位の打合せを綿密に行い、構造上の配筋の納まりにも無理のない外観を構成しています。
基礎は直接基礎(独立基礎)とし、基礎下の地盤改良を行っています。
設備設計主旨
建築との綿密な調整のもと、搬送導線の最短化、エアロックの兼用、設備機器の屋外設置により、コンパクトな高薬理活性剤の治験薬施設を実現しています。
規模はコンパクトですが、高薬理活性剤を取り扱う施設としての安全対策(製造室の陰圧化、ダブルHEPAフィルターの設置によるダクトを通じての漏洩防止など)は万全を施しています。
また、建設地が富山であるため給気ガラリでの雪対策が必要でしたが、2階機械室のガラリはデザイン性を考慮して大きなサイズとしトラップ状にすることで、ダクト内への雪の侵入を防ぐ対策を施しています。
担当
大成建設担当者 | |
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建築設計 | 髙村潔、曽根奨、宮本勇樹、嶋田吉嗣、飯田雄介 |
構造設計 | 出雲洋治、渡邊諭、森田泰治 |
設備設計 | 岸野豊、板橋正弘 |
電気設計 | 岸野豊、遠藤晃 |