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WORKS 2013

代々木ゼミナール札幌校

用途:専修学校
所在地:北海道札幌市北区
延床面積:4,750m2
地上:9階

建築設計主旨

本建物は、札幌駅北口の通りの角に立地しています。
寒冷地の教育施設にありながら、街にアクティビティを創出するオープンなガラスの外観を成立させる為に、「学びの縁側」となるペリメーター空間を有しています。
そして「縁側」を軸とした以下のコンセプトにより、デザインを構築しています。

外装/Crystal interface

雪に適した凹凸のない形態を目指しました。
法に適合する多様な素材を活かし、均質かつ透明性の高い外観を実現しています。
また、高性能Low-Eガラスで遮熱し、ブラインドをなしとています。
ガラスに浮かぶ受講生自体が、ファサードとなる建築としています。

ペリメーター/Communication buffer

「学びの縁側」は受講生の対話や休憩の空間として活用されます。
これが干渉帯となり、寒さ・騒音・日射を和らげ、内側の教室環境を最適に保っています。

教室:Comfort + Concentration

「学びの縁側」と教室は、ガラスにより隔てられており、やわらかい境界を設えています。
ガラスは二重として、中間層に電動ブラインドを内蔵しています。
シーンによって日射や視線を制御し、教室を受験勉強に心地よく集中できる空間としています。

構造設計主旨

本建物は、1階床下に免震装置(天然ゴム系積層ゴムおよびオイルダンパー)を配置した基礎免震構造を採用し、高い構造安全性を確保しています。
主架構は柱を高強度CFT造、大梁をS造として大スパンを構成した上で、高い剛性と耐力を保持させています。
設計ルートは告示免震ルートを採用しており、極めて稀に発生する地震動に対して、上部構造最大応答層間変形角を1/300以下とする高い耐震性能を有し、また構造耐力上主要な部分は、全て弾性範囲にとどめることで、地震後の継続使用に対する安全性を確保しています。
南面および東面の道路に面するバッファーゾーンは、デザイン性および機能性において、重要な空間になります。
その空間を構成するために、スラブ天端と梁天端を揃えた上で、梁成を限界まで抑え(梁成350mm)、柱の無い3.2mの片持ちフレームとして計画しています。

設備設計主旨

教室廻りに配されたフレックススペースによって冬期のコールドドラフトや窓面結露のリスクを緩和し、寒冷地における全面カーテンウォールのファサードを実現しています。
また1階事務室は全面床暖房とし、さらに階段室入口に前室を設けることによって、冬期の煙突効果による冷気侵入を抑えた執務環境となるように計画しています。
また教室内の温湿度環境は、このフレックススペースを介することで、窓面からの日射、貫流熱に影響されにくく、一様な温湿度分布となるように計画しています。
階段室を含めたフレックススペースの温熱環境は、温熱シミュレーションの検証によって、空調機容量や床暖房の採用を決定しています。
便所洗浄水には、井水を利用しています。
また教室を含めた全ての照明にはLEDを、換気方式には直膨コイル付全熱交換器を採用して省エネルギーを図っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 川村信之、平井浩之、中藤泰昭、福田健史
構造設計 松本修一、征矢克彦、河本慎一郎、田部井直哉
設備設計 高木淳、斧田浩一、出島美由紀
電気設計 高木淳、小川武史、金子一登

社外受賞

2014年 第3回 パイロシステム ガラス防火区画デザイン・コンペ2013 準優秀