コマツ福光荘/コマツNTC福光寮
- 所在地:富山県南砺市
(コマツ福光荘)- 用途:寄宿舎(保養所)
- 延床面積:1,331.82m2
- 地上:2階
(コマツNTC福光寮)- 用途:寄宿舎(独身寮)
- 延床面積:1,986.43m2
- 地上:3階
建築設計主旨
この場所ならではの建築を創る
設計施工コンペで取得した、建設重機を扱うコマツの保養所と精密機械を扱うコマツNTC株式会社の独身寮の2棟の計画です。
敷地は砺波平野の端部に位置し、敷地南~西側へ連続する立山連峰、北側に緑豊かな森を望める場所です。
設計コンセプトとして、その恵まれたコンテクストを最大限生かす建築を目指しました。
福光荘は連続する山並みに開かれたL型の平面形状とし、浴室や客室など主要な諸室を2階に上げています。
外観上はコンクリート打ち放しのグリッドボリュームが浮かぶ構成とし、コマツ重機の力強さを表現しています。
福光寮は北と南の異なる2つの環境に対して平行に、3層のレイヤー(ボリューム)を重ね合せることで建築を構成しています。
最大の特徴は、上下階の移動に使われる階段をコミュニケーションの空間として読み替え、吹き抜けの大階段の空間「Street」を建物の中心に挿入したことです。
明るく開放的な「Street」を通して、集まって住まう楽しみを生み出しています。
構造設計主旨
福光荘・福光寮ともにプランに合致するよう要所に耐震壁を配置し、鉄筋コンクリート造の耐震壁付ラーメン構造としています。
これにより、剛性・強度が高い構造とし、構造スリットを設けない計画としています。
両棟ともに、庇の出がファサードに大きく影響することから、積雪荷重を考慮し最大限まで出の長さを確保しています。
特に、福光荘は、ロビーに設けられた吹き抜け空間には眺望を確保するため柱を設けず、屋上の片持ちスラブより吹き抜け部の外側に設けられた片持ちスラブを吊り上げる構造とすることにより格子のファサードを実現しています。
設備設計主旨
コマツグループの社員、OB・OGが使用する福光荘の客室内、共用WC手洗いの給湯や福光寮内のユニットバスや洗面の給湯は安全性、省エネ性及びランニング・コストを考慮して電気温水器にて行い、管理側で対応する浴室、厨房の給湯、厨房器具の熱源については、ガス方式としています。
空調は空冷ヒートポンプ式天井カセット型パッケージエアコンを主として設置し、福光荘のロビーについては、天井隠蔽型としています。
また、ロビーはガラス面が大きいため、ドラフト効果を考慮して、窓面下部に床置型電気式パネルヒーターを設置しています。
寮のセキュリティ認証は、社員カードを利用することにより利便性を向上しています。
ランドスケープ設計主旨
敷地全体の植栽計画は、新緑、紅葉、実などの美しい樹種を選定し、四季の変化を楽しめる環境づくりを行っています。
特に、積雪の多い寒冷地であることから、春に花の咲く樹種を多く植栽し、春の訪れを強く感じられる空間としています。
福光寮の浴室、食堂前の中庭は、地被、低木、高木を層状に配置することにより、駐車場を隠しつつ、北側の棚田、山への連続的な眺望を生み出すつくりとしています。
駐車場から寮へのアプローチは、四季の花が咲く緑の中を抜ける、印象的な設えとしています。
担当
大成建設担当者 | |
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建築設計 | 村元徹、山村周平、清水悟(前期)、光高啓二(後期) |
構造設計 | 網干眞一、高瀬恵美 |
設備設計 | 小野田修二、川崎賢哉 |
電気設計 | 小野田修二、中井信雄 |
ランドスケープ | 蕪木伸一、神田祐樹 |
社外受賞
2015年 | 第17回 グッドペインティングカラー 新築部門 優秀賞 |
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