静岡市清水文化会館 マリナート
- 用途:多目的ホール、ギャラリー
- 所在地:静岡県静岡市清水区
- 延床面積:11,535.72m2
- 地下:1階/地上:4階
建築設計主旨
新しい街と港の都市景観のシンボル
2012年8月に開館した本施設は、様々な文化活動に誰もが気軽に集い憩える施設、新しい街と港の都市景観のシンボルとして建設されました。
2008年12月のPFI事業コンペにより選定され、設計・建設・運営・維持管理との一体的連携によって生み出された本施設は、明快なゾーニングと動線によるコンパクトな空間構成とすることで、利用者にとっても、運営・維持管理者にとっても使いやすい施設としています。
清水駅から連続する北側のペデストリアンデッキに面してホワイエを設け、透明なファサードの奥に青とピンクに彩られた大小のホールを配置することで、イベントのある時もない時も華やいだ雰囲気を周辺に与えるとともに、重層的にホールの周りに巡らした階段や展望ラウンジにより、港や富士山を眺める都市的な回遊性を創出しています。
専用ホール並みの高機能な多目的ホール
大ホールは客席数約1500席で、音楽ホール・劇場として、専用ホール並の性能を持つ多目的ホールとして、音の響きの良さを基本に、劇場における観やすさと親近感を併せ持ち多様な演出にも対応出来る機能を有します。
小ホールは客席数約300席で、室内楽のコンサート、演劇、映画、講演会など幅広く対応できる多機能ホールです。
構造設計主旨
鉄筋コンクリート構造は、大地震後に構造体の補修をすることなく使用できる高い耐震性能に加え、コンクリート壁の高い剛性により周辺交通振動に対する防音・遮音性能にも優れています。
大地震時に液状化する可能性のある地盤に対し、変形追従性の優れた杭頭半剛接構法を採用し、杭の損傷を大幅に低減し地震後の建物基礎の安全性を確実にしています。
設備設計主旨
低環境負荷で高機能なホール空間の実現
様々な催しを開催できるよう電源に十分な容量を確保し、持込機材にも柔軟に対応できます。
また、ムービングライトも対応可能とした舞台照明設備を装備し、舞台音響設備はオペラ公演やミュージカル、演劇などに求められる高いパフォーマンスに対応しています。
舞台照明以外でもLED照明を採用し、省エネかつ賑わいを演出しています。
ホール内やホワイエは床吹出による居住域空調を行い、涼しい時は外気をたくさん取り入れ冷房に利用する「外気冷房」を、逆に外気が空調負荷になる時は室内のCO2濃度に応じて導入外気量を自動で少なくする省エネルギー制御を行っています。
また、海に近いため、万一の津波や高潮に備えて電気室・発電機室を2階に設置し、電気設備の水没リスクを低減しています。
担当
担当 | |
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設計 | 槇総合計画事務所・大成建設設計共同企業体 |
設計協力 | |
舞台設備 | A.T.Network |
建築音響 | ヤマハ 空間音響グループ |
照明計画 | LIGHTDESIGN INC. |
ホールアドバイザー | 勝又英明(東京都市大学) |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 杉江大典、大原信成、 高橋広直、堀川斉之 |
構造設計 | 早部安弘、渡辺征晃、杉村真智子 |
設備設計 | 熊谷智夫、梶山隆史、佐藤大樹 |
電気設計 | 熊谷智夫、加藤勇太、三谷正志 |
社外受賞
2013年 | 第26回 公共の色彩賞 環境色彩10選 |
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2015年 | 第56回 BCS賞 |