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WORKS 2012

千葉県農業会館


グリッドフレーム
T.G-wall
用途:事務所
所在地:千葉県千葉市
延床面積:15,251.85m2
地下:1階/地上:6階/塔屋:2階

建築設計主旨

本計画は1967年(昭和42年)竣工した事務所ビルの耐震化プロジェクトです。
既存建物は鉄筋コンクリート庇による美しい水平性、細い柱・少ない壁・南北面全面アルミサッシュによる明るく開放的な内部空間が特徴的でした。
耐震化の際には、「1.既存のファサードデザインとの調和」「2.内部の使い勝手・快適性を維持」「3.工事中の業務機能の維持」という3つのコンセプトを元に計画しました。
コンセプト実現のため、新開発したデザイン性の高い補強工法である「グリッドフレーム」と「T.G-wall」を採用することで、美しい外観と明るい内部空間を維持しながら建物の耐力を向上させています。

構造設計主旨

補強前の建物は柱が細く、壁が少ないために耐震性の低い建物でした。
また、H型の平面形状をしており、数少ない耐震壁の偏在により偏心率もよくありませんでした。
既存建物の外観は鉄筋コンクリート庇による美しい水平性が特徴的であったため、耐震補強は外観イメージを壊さない計画としました。 まず、妻面に新設壁を設けて偏心率を改善しています。さらに、既存建物の鉄筋コンクリート庇による美しい水平性を損なわないように、水平・垂直部材で構成された外部鉄骨補強「グリッドフレーム」と、既存ELVホールの開口部の開放性を維持したまま耐震化を図る、鋼板と強化ガラスで構成された耐震補強「T.G-wall」の2つの新技術を採用しています。
鉄骨の製作精度と建方精度だけでなく、溶接の出来形に至るまで徹底した管理を行うことで、魅せる耐震補強を実現しています。

設備設計主旨

既設の屋外埋設電源等のインフラ、排水設備、並びに、建物内の配管やダクトは盛替工事を最小限とし、居ながら改修を実現しています。
グリッドフレーム1階柱の既存躯体取り合い部の雨水竪樋や冷温水竪配管についても、既存配管を盛替えることなく、コンクリート型枠兼用のパイプスリーブを設けることで、コスト低減を図っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 井深誠、田仲雄毅、面高宏樹
構造設計 鈴木裕美、豊田祥之、藤井太史郎、井之上太、佐伯正尚
設備設計 豊原範之、久保田宗人
電気設計 豊原範之、山中康弘