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WORKS 2012

西鉄日本橋ビル

用途:事務所、店舗
所在地:東京都中央区
延床面積:6,818m2
地下:1階/地上:8階

建築設計主旨

東京駅、日本橋駅の双方から徒歩3分の好立地に建つ、地区計画を活用した賃貸事務所ビルです。
「ハイコストパフォーマンス」をコンセプトとし、ローコストながら当社独自技術や環境配慮技術を導入し、テナントビルとして資産価値の高いオフィス空間を提供しています。
テナントニーズに応えられるよう、免震構造と外周フラットコラムを組み合わせる構造形式「TOLABIS」を採用し、高い耐震安全性とフレキシブルな内部空間を両立する計画としています。
オフィスレイアウトの自由度が高い200坪超の無柱空間とレンタブル比84%超のプランニングを実現し、階高3,800mmに対し天井高2,800mmを確保しています。
外装は壁柱とサッシを同面に納め、敷地一杯に床を確保するというプログラムと構造形式の特徴を外観デザインの中に表現しています。
壁柱と外周梁を分離して表現する納まりを工夫し、スパンドレル部のバックボードを省き敢えてガラス越しに構造体であるRC外周梁そのものを見せるデザインとしています。
建築・構造・設備の各分野が効率的に計画され、機能性と快適性を実現する環境に配慮したオフィスづくりに貢献しています。

構造設計主旨

本建物では、高い耐震安全性とフレキシブルなオフィス空間の両立を実現すべく、免震構造と外周壁柱構造を組合せた「TOLABIS」を採用しています。
基準階は、外周部の壁柱と境界梁によるRCラーメン構造とし、柱型の出ない執務空間として有効面積を最大限確保する計画としています。
外殻構造とすることで、内部の柱梁を地震力から開放し、梁せいを最小限に抑えるとともにコア周りの柱は細い間柱としてフレキシビリティを確保しています。床組みは鉄骨小梁と合成床板により軽量な構造とし、約15mスパンの無柱空間としています。
壁柱構造は2階床梁で切り替えを行い、1階は耐震壁付きラーメン構造とし、道路に面する南北面の柱ピッチを大きくしてエントランス等必要な間口を確保しています。
また、壁柱間のサッシュを上階から下階まで層間にわたって通したデザインとする為、壁柱に対して境界梁が平面的に偏心して接合し、梁型が壁柱側面から室内側に突出した形状としています。

設備設計主旨

テナント要望へのフレキシビリティ性の高い設備システムや省エネルギー、免震構造や狭小敷地での設備対応及び災害対策の導入をテーマとしています。
テナントビルとしての競争力向上のため、専有部に70VA/m2の電気容量を提供し、更なるテナント要望に配 慮し30VA/m2の予備を確保しています。
テナント専有部には室内機ごとに個別制御可能な冷暖同時型空冷マルチエアコンや当社独自開発のLED照明と人検知センサー照明制御「T-Zone Saver」を導入し、大幅な省エネルギーシステムを構築しています。
また、BCP対応として、発電機による共用部への電源供給、高置タンクからの非常用水源を確保しています。
免震層での配管類の干渉を避けたルート確保、余裕のない外構でのインフラ引込・免震継手の設置スペース確保、地下掘削量削減を目的とした地下設備室の配置、階避難安全検証法を用いたテナント専有部無排煙によるダクトスペースの省略等、敷地条件・構造条件に因る課題をクリアし、利便性の高い建物を実現しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 高橋章夫、松村秀樹、石原佳剛、福田純
構造設計 小室努、松本修一、藤山淳司、征矢克彦、今津裕子
設備設計 高木健、豊原範之、久保田宗人、平井宏幸
電気設計 高木健、豊原範之、加藤文都、坂下泰士