川崎生命科学・環境研究センター
- 用途:研究所
- 所在地:神奈川県川崎市
- 延床面積:11,406.09m2
- 地上:4階/塔屋:1階
建築設計主旨
川崎市殿町3丁目地区の工場跡地における地区計画です。
ライフサイエンス研究開発の街として今後の開発が計画されており、その中核施設として位置づけられた研究所です。
川崎市の健康安全研究所、環境総合研究所が入居し、加えてレンタルラボを備え、ライフサイエンス系の民間研究施設が入居します。
産学公民の交流を促す立体コミュニケーションスペース
多摩川に面する建物北側中央部に、研究者同士が集い、産学公民の相互交流が可能な立体コミュニケーションスペースを設けています。
多摩川を望む、光溢れる開放的な空間により、研究者の集中と発散が効果的に行われます。
研究所らしさを表現するデザイン
ライフサイエンスの街づくりの核となる施設として、試験管をモチーフとしたスリット開口や、薬箱をモチーフとした引き出し状の外観(知の引き出し)により研究所らしさを表現しています。
構造設計主旨
浮遊感のある研究施設を実現した「柱頭免震メガトラス架構
1階共用スペースの必要面積は、2~4階に比べて小さく、1階外周部は人々を招き入れるピロティ形状としており、機能性・デザイン性から1階廻りの柱をできるだけ少なくする計画が求められました。
それに対し、2~4階外周は、□-400×400の鉄骨ブレースによる「メガトラス架構」を採用し、さらに柱頭部に免震支承を配置した2本の大口径鉄筋コンクリート柱による「柱頭免震柱」を組み合わせることで、1階外周廻りを最大36mの無柱空間とし、2階以上の研究施設が浮いて見える浮遊感のあるデザインを実現しています。
外周メガトラスによるブレース構造とすることで、内部の最大スパン16mとし、研究室内部のフレキシビリティを向上しています。
中央部を基礎免震、外周部を柱頭免震の複合免震計画とすることで、外周基礎ピットが不要となり掘削及び基礎躯体を最小限とした経済性の高い免震構造としています。
設備設計主旨
川崎CASBEEでSランクを達成
太陽光発電設備、太陽熱利用給湯設備、地中熱利用空調設備等、再生可能エネルギー利用設備のを積極的に導入、また、ダブルウォール、T-Zone-Saver、VAVドラフトチャンバー、共用部吹抜け空間の暖気循環などにより、環境先進都市川崎に相応しい施設として様々な環境配慮を行っています。
主な採用設備
<太陽熱給湯設備>
エコキュートと太陽熱給湯を組み合わせ、ガス給湯設備と比較しCO2排出量を約1/2に抑えています。
<地中熱利用空調設備>
炭素鋼鋼管をあらかじめ仕込んだ既製杭を打設後、炭素鋼鋼管内に水と採熱チューブを挿入する工法により、施工中の採熱チューブ損傷がなく、工期も短縮しました。
<ダブルウォール>
研究室周囲に設ける設備バルコニーを、塩害に配慮して内部化し、配管更新性を向上するとともに、断熱性を向上、日射負荷を軽減しています。
担当
大成建設担当者 | |
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建築設計 | 川野久雄、和田真、武市章平 |
構造設計 | 早部安弘、渡辺征晃、安藤広隆 |
設備設計 | 三宅伸幸、岡部裕之、岩尾正樹 |
電気設計 | 三宅伸幸、近森真洋、吉田幸生 |
社外受賞
2013年 | 第19回 川崎市都市景観形成協力者表彰 |
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2014年 | 第58回 神奈川建築コンクール 一般建築部門 優秀賞 |