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WORKS 2011

武田薬品工業(株)第九技術棟

用途:研究所
所在地:大阪府大阪市淀川区
延床面積:15,509.86m2
地上:11階

建築設計主旨

計画地は、大阪中心地にある工場内の一角で、線路とバイパスに囲まれており、周辺環境に十分配慮することを求められました。

建物は、敷地形状に沿って雁行させることでボリュームを分節し、かつ緩やかな高低差のあるスカイラインとしています。
外装は、自然の様相に合わせて柔らかく有機的な揺らぎが生まれるように、面状の異なるタイルを低層から上層に向けて徐々に貼り分けています。

また、屋外設備シャフトを太陽光パネルで包むことで150kwの発電量(設備容量)を確保し、環境装置として新しいファサードを実現しています。

インテリアは部門ごとにテーマカラーを決め、施設の多様性をカラーバリエーションで体感できる空間としています。

構造設計主旨

内部空間のフレキシビリティを確保するために、外周部を柱・梁・ブレースのスーパーストラクチャーで構成し、内部架構は鉛直力のみを支持する架構計画としています。

基礎免震(ハイブリッドTASS構法)を採用することで地震入力を低減すると共に、外周部にブレースを配置することで上部構造の剛性を高め、地震時の層間変形角を小さくすることができ、クリーンルームの気密性を向上することができます。

エントランスは、免震クリアランスをスリットとしてデザインの中に織り込み、地上部と免震層上部を入れ子構造とし、水平方向エキスパンション・ジョイント金物を極力使わないことでシャープなデザインとし、地震時もシンプルな挙動となるように計画しています。

設備設計主旨

クリーンルームの繊細な室間差圧を保つことと、設備の可変性・更新性を高めるために、建築・構造計画と一体となったダイナミックな設備計画としています。

クリーンルームへの給気は、大きな気積を確保したチャンバーに2方向から取り入れることで、従来の外壁1面ガラリに比べ 風速・風向の影響を受けにくくなり、安定した室圧を維持することができます。
また、設備の可変性・更新性を高めるために、クリーンルーム上部に歩行出来る高さの設備スペースをとることで、クリーンルームの機能継続を妨げることなく設備メンテナンスを可能にしています。

担当

大成建設担当者
建築設計 碇屋雅之、高村潔、五嶋崇、宮本勇樹、出口亮、窪田朋子、宮本育美
構造設計 出雲洋治、笹井弘雄、小野森司
設備設計 三宅伸幸、岩村卓嗣、岡部裕之
電気設計 三宅伸幸、前田義徳、穂苅伸博