ヒューリック銀座数寄屋橋ビル
- 用途:店舗、事務所、銀行
- 所在地:東京都中央区
- 延床面積:11,569m2
- 地下:4階/地上:11階/塔屋:2階
建築設計主旨
銀座晴海通りと並木通りの交差点に建つ商業店舗・事務所・銀行の複合テナントビルです。
銀行店舗が入居していた低密度の建物を建替え、銀座の高度利用地区、地区計画制度を活用して容積と建物高さを最大限確保することで事業性の向上を企図しました。
ファサードは銀座の原風景である水と柳を表象したアルミダイキャストをカーテンウォール外側に纏うことで、用途構成により雑多になりがちなテナントビルのファサードに統一感をもたせました。
この外装は工作物扱いとし、社会変化に応じた将来更新が容易にできるようになっています。
またキャストは職人の手によって1本1本曲げ加工により製作しています。
ガラスはブルー色のLow-Eガラスを採用し、キャストがガラス面に映りこむことで川面に映る柳の情景を具現化してみせています。
1階には晴海通りと並木通りの交点に大きな空地を確保し、相互の通りへの往来をスムースとしながら空間と視点の広がりをもたせました。
この空地に低層店舗出入口を設け、人を呼び込む仕掛けとしています。
構造設計主旨
主架構は柱を高強度CFT造、大梁を端部拡幅S造として大スパンを構成した上で、高い剛性と耐力を保持させています。
更に、極低降伏点鋼間柱をコアおよび外周部に配置した制振構造を採用し、地震時の変形を制御しています。
60m以下の建物ですが目標耐震性能は時刻歴応答解析により確認しています。
極めて稀に発生する地震動に対して最大応答層間変形角を1/120程度とする高い耐震性能を保持させ、長寿命化に配慮しています。
構造躯体の耐久性を高めるために、地下RC・SRC部分のコンクリートの水セメント比を50%以下に設定しました。
既存の躯体を山留利用し、1階の柱を外側に傾斜させることにより、環境に配慮すると共に地上部の有効空間の拡大を図っています。
設備設計主旨
商業店舗・事務所・銀行からなる複合テナントビルのため、ガスを引込まないオール電化ビルとしました。銀行内設置の電化厨房と共用部設置のエコアイスにより、電気料金の割引を受けています。
事務所の空調は室内側を直膨コイル付全熱交換器+ペリメータ用隠蔽+インテリア用隠蔽タイプとし、室外機は冷暖フリータイプで構成しています。
受変電設備を、引渡後の入替工事に伴う電源工事が発生するテナント(店舗及び貸事務所)、基本的に電源を止められない銀行、共用部の3つの用途毎に区分して構成し、電源改修工事が他用途に影響しないように計画しました。
貸事務所に大成オリジナルLED照明器具を、エントランス・エレベータホール等の共用部にLEDダウンライト主体の照明器具を採用し、使用電力量の削減を図りました。非接触ICカードリーダーとITVを建物入口やテナント区画に設置し、銀座地区という地域に見合った高いセキュリティシステムを構築しました。
担当
担当 | |
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設計 | 久米・大成設計共同企業体 |
PM | 東京建物株式会社 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 井深誠、渡辺岳彦、田仲雄毅 |
外装設計 | 久保勝彦、芦谷公滋 |
構造設計 | 小室努、征矢勝彦、辰濃達 |
設備設計 | 廣川純一、山本進 |
電気設計 | 廣川純一、宮嶋禎朗 |