ガーデンシティ品川御殿山
- 用途:事務所、店舗
- 所在地:東京都品川区
- 延床面積:63,979.43m2
- 地下:1階/地上:9階/塔屋:1階
建築設計主旨
徳川将軍家の品川御殿が存在した閑静な住宅街に立地しています。
緑豊かな周辺環境との連続性を意識し、品格ある街並に調和するランドスケープの形成を計画の根幹とし、高級住宅街に邸宅オフィスの佇まいを中低層のボリュームで実現しています。
御殿山の原風景の再生
(丘の復権による都市再生の試み)
御殿山の品格を体現する丘地形を取り戻すため、力強いランドスケープで原風景を顕在化させ土地の記憶を呼び起こし、計画地の緑化は地域の緑と結びつき自然環境を再生させ緑のネットワークを形成し、都市再生を果たす布石となることを目指しています。
邸宅のようなオフィス
周辺の街並みとの連続性を意識した4棟からなる群構成とし、高さでなく横への拡がりを重視しています。
300mに及ぶボリュームは、分節化・スカイラインの統一・連続したコリドール・ファサードを彩るバルコニーや凹凸窓により、ヒューマンスケールで、重厚感のある邸宅のようなオフィスを目指しています。
環境配慮型サスティナブル建築
エネルギー効率の高い設備システムの採用・自然の力の利用・環境に優しい材料の利用・生態系ネットワークを復活するという4つのテーマで計画しています。
構造設計主旨
本建物は、平面形状が 約187m×50mという長大な居室空間を有する建物です。
大地震時においても建物機能を維持し十分な安全性を確保すると同時に環境への影響を配慮して、地下1階柱頭免震(中間免震)を採用しています。
上部構造は、主体構造を鉄筋コンクリート造とし、長スパン梁は端部RC造・中央部S造(CSビーム構法)を採用することにより事務所空間のフレキシビリティを高め、梁の軽量化かつ居住性の確保を実現しています。
また、ファサードデザインと融合した外周フレームと短辺方向のコア部間柱により建物の剛性および耐震性を確保し、内部空間の自由度を高める構造計画としています。
下部構造は、敷地高低差が最大13.5m程度あるため非常に高い免震擁壁が必要となり山留芯材を本設利用する合成壁として擁壁を設計しています。
基礎は、堅固な砂礫層を支持地盤とする杭基礎を採用しています。
設備設計主旨
環境配慮型オフィスとして、東京都の定めた基準を満たしたトップレベル事業所(優良特定地球温暖化対策事業所)の認定を目指し、太陽光発電、クールピットによる外気導入、CO2制御の採用などの各種省エネルギー技術を採用しています。
また、大規模賃貸オフィスとしては、国内では初めてテナント貸室から共用部、エントランス、外構に至る全館にLED照明を採用しています。
担当
担当 | |
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基本設計・デザイン監修・監理 | 株式会社日建設計 |
実施設計・監理 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
大成建設担当者 | |
総括 | 河野晴彦 |
建築設計 | 井深誠、遠藤肇、村瀬宏典、木幡理朗 |
構造設計 | 新田隆雄、有山伸之、菅野貴孔 |
設備設計 | 高木健、藤田協二 |
電気設計 | 高木健、加藤文都、小林徹也 |
ランドスケープ | 蕪木 伸一、小池亘 |
社外受賞
2012年 | 平成23年度 品川区みどりの顕彰制度 緑化賞 |
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2012年 | 第11回 屋上・壁面・特殊緑化技術コンクール 屋上緑化部門 国土交通大臣賞 |
2012年 | 第32回 緑の都市賞 緑の地域づくり部門 都市緑化機構会長賞 |
2013年 | 第11回 環境・設備デザイン賞 環境デザイン部門 優秀賞 |
2013年 | 第29回 都市公園コンクール 審査委員会特別賞 |
2014年 | 造園作品選集2014 設計部門 |
2014年 | グッドデザイン賞 |