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WORKS 2011

レセプションハウス コアセルベート

用途:結婚式場、チャペル
所在地:愛知県名古屋市西区
延床面積:1,399.29m2
地上:5階

建築設計主旨

本建物は、名古屋駅前で総合結婚式場を運営する株式会社逓信の別館プロジェクトです。
要求されたプログラムは多様化する婚礼スタイルの変化に対応する設えと大型ホテル並みの高さヴォリュームを確保することにありました。

敷地は短い間口方向と長い奥行で約180坪の狭小地です。
隣地にはマンションなどがあり、音響に対する配慮が求められました。
バンケットは非日常性を実現(周囲が直接みえない)すると共に明るさと開放感が同時に求められました。

そこで設計するにあたりヴォリューム設定を最大80名席の挙式、披露宴が1日1組限定の貸切りで行えるゲストハウスとして提案しました。
高さ方向の空間ヴォリュームを確保するため、主要諸室のバンケットやチャペルなどを後方諸室の2層分とするスキップフロア形式を採用しています。

音響に配慮するため想定音源・音圧にてシミュレーションを行うと同時に構造合理性と照らし合せ、隣地に面する両サイドの壁は振動・音伝搬上優位性が高いRC耐震壁とし、短辺方向を純ラーメン構造としています。

ファサードは建物用途から想起される"永遠の誓い"のメタフォリカルな表現とし、天然石とクロス十字の構成としています。
中間部分は水平ルーバーで覆い、バンケット上部に採光のため設置したハイサイドライトに対置させ、ホール内部の非日常性を確保すると同時に柔らかな自然光も取り込めるようにしています。

最上階のチャペルは、より神聖な雰囲気を演出する仕掛けとして、空間のエッジを無にする建築化照明をデザインしています。
またチャペルロビーはトップライトより自然光が入る屋内ガーデンを計画し、明るく外部のような心地よい空間を実現しています。

構造設計主旨

建築設計のイメージを尊重しつつ、構造安全性と隣接建物への音環境を満足させるため、鉄筋コンクリート造としています。
敷地の短い間口方向は1スパンの純ラーメン架構とし、奥行方向は耐震壁付きラーメン架構としています。

狭小地でありながら大型ホテル並みのヴォリューム感を目指しており、主要諸室の高さを確保する目的でスキップフロアとするため、長い柱と短い柱が混在する計画となっています。そのため、応力の集中する短い柱には十分な耐力を確保しています。

外装仕上がコンクリート化粧打放しであるため、美しいコンクリート面の仕上がりとひび割れを制御するため、コンクリートの配合は単位セメント量290㎏/m3以上、配筋は壁筋比0.6%以上としています。

設備設計主旨

1階エントランスロビー及び3階バンケットは、共用面積を確保するため空調機を天井隠ぺい型としています。
また意匠上及びメンテナンス性に配慮し、吸込口(フィルター付)を間接照明部の床面付近に計画しています。

1階高天井部分はメンテナンスと省エネに配慮し、長寿命のLEDダウンライトを採用しています。
3階バンケットには特注照明、照明制御設備、映像音響設備等を設置し、さまざまな演出を可能とする空間としています。

5階チャペルについては、倉庫の一部を空調機械室とし、床置型汎用パッケージエアコンを設置しています。
また還気口には迷路形消音装置を設置し静粛性能の向上を図っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 富川桂二郎、村上嘉浩
構造設計 加藤芳明、高橋克治、大橋智樹、森田敦
設備設計 延原龍雄、永井伸二
電気設計 延原龍雄、小林卓哉