みなとみらいセンタービル
- 用途:店舗、事務所、駐車場
- 所在地:神奈川県横浜市西区
- 延床面積:95,220m2
- 地下:2階/地上:21階
建築設計主旨
横浜・みなとみらいの中心に立地する超高層複合業務ビルです。
設計施工一貫ならではの知恵と経験を駆使して、当社の技術を一般的・普遍的なテナントオフィスビルに最適化すること経済的で価値のあるオフィスビルの実現を目指しました。
敷地に都市軸と建築を貫通する賑わい軸を導入し、街区中央に賑わいをもたらす配置計画、アクティビティを呼び起こす低層部へのしかけなどで、横浜市環境設計(総合設計)制度において上限となる約250%の容積割増を獲得しています。
ファサードは、横浜・みなとみらいらしさを垂直に立ち上げる白と青の組み合わせによる縦ストライプの構成としています。
構造体と一体化するシンプルさの中に陰影をつけ品位のあるファサードデザインとしています。
また低層部は石を纏いながらも表裏で仕上に変化をつけエントランスに相応しい表情を持たせています。
基準階には、フレキシビリティに優れ使いやすいオフィス空間「スクエアオフィス」を展開しています。
新しい構造システム「TASMO-HD」の開発により整形かつ全く柱の無い奥行き23m×80mの大空間を実現しています。
暗くなりがちなセンターコアの中央には、採光・空調に利用するエコボイドを設置し、「T-Soleil 100」を組み込んでいます。
ボイド底のオフィスエントランスのみならず、すべてのフロアが自然光で満たされる空間を生み出しています。
敷地の約半分を占める外構は、リビングガーデンをテーマに豊富な植栽とパーゴラやベンチなどの設えを配置し、人だけでなく多くの生物が共存し憩えるような空間を目指しました。
構造設計主旨
大地震後においても建物機能を維持できる高い耐震性能と、地震時の揺れを抑えて居住者の安心感を確保するために、免震構造(ハイブリッドTASS構法)と制振構造(TASMO)を組み合わせた構造システム(TASMO-HD)を採用しています。
上部構造は、広いオフィス空間確保するために約23mの無柱空間となっており、居住性能の確保とコストを考慮して、鉄筋コンクリート造を採用しています。
ロングスパンと壁柱という相反する条件を解決するため、プレキャスト工法によるプレストレスト梁(PCaPC梁)を用いて鉛直荷重のみを負担させるようにし、壁柱に面外曲げが作用しないようにピン接合として外周とコア部の壁柱間に架け渡しています。
また、地震時水平力は、建物外周及びコア部に配された壁柱とそれを貫通する鉄骨梁からなるフレームに負担させています。
鉄骨梁の梁中央部ウェブパネルには極低降伏点鋼(LY100)を採用し、地震時にせん断降伏させることにより地震エネルギーを吸収するとともに、壁柱に作用する力を制御することにより厚さ400×幅1400mmの外装材兼用の薄い壁柱を実現しています。
設備設計主旨
省エネルギー性能の向上・省資源性能の向上および室内環境品質・性能の向上をテーマとしています。
取り組みとしてVAV・VWVによる搬送動力および熱エネルギーの削減、オフィス部分には高効率型照明器具の採用による電力消費量の削減、外気量の制御による熱エネルギーの削減、駐車場では換気風量制御による搬送動力の削減等、各所にて省エネルギーを図った計画としています。
また、立地条件に対応すべく塩害に配慮し、ファン動力を削減するため頂部の設備ボイドからの給気、コア中央のエコボイドへの排気を行っています。
エコボイドには、「T-Soleil 100」を組み込み、積極的に自然光を利用する計画としています。
これら省エネ技術の採用、新しい構造システムのゆとりと長寿命化技術などにより「CASBEE横浜」で最高Sランクの認証を受けました。
担当
大成建設担当者 | |
---|---|
統括 | 河野晴彦 |
建築設計 | 畠山卓也、井深誠、峰村雄一、山村周平 |
構造設計 | 関清豪、有山伸之、西本信哉 |
設備設計 | 高木健、上田泰史 |
電気設計 | 高木健、小林徹也 |
ランドスケープ | 蕪木伸一、山下剛史 |
シミュレーション | 横井睦己、小林光 |
社外受賞
2011年 | 平成22年度 プレストレストコンクリート技術協会賞 |
---|---|
2011年 | 平成22年度 日本コンクリート工学会賞(作品賞) |
2011年 | グッドデザイン賞 |
2011年 | JSCA賞 作品賞 |
2011年 | 第1回 神奈川県かながわ地球温暖化対策大賞温室効果ガス削減実績部門 |
2011年 | 第22回 電気設備学会賞 開発奨励賞 |