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WORKS 2010

ロッテ商事東京圏支店千葉エリアビル

用途:事務所
所在地:千葉県千葉市中央区
延床面積:499m2
地上:2階

建築設計主旨

「Local Office, Small Office」

本計画では、住宅街(居住空間)にたつオフィス(執務空間)のあり方を考えました。
執務スペースとサンプル倉庫というシンプルなオフィスを、低層住宅街という周辺環境と調和させるために、以下の点をこの敷地固有のファクターと捉え、プログラムに取り込んでいます。

  • 執務スペースの採光は、窓からではなく廊下・ホールから間接的に取り入れ、近隣との視覚的な接触をさける
  • 荷捌きスペースを建築構成の中に一体的に取り込む
  • 線路上から見て違和感のない線路とパラレルな景観形成

これらの課題に取り組んだ結果、1階の倉庫のボリュームを覆う、ゲート状の屋根をかけたような形状を導きました。
ここで働く人は、近隣との距離感を保ちつつ執務に集中し、近隣住民は時々ホールを行き来する執務者の存在を認識します。

「食住一体」によってかつての住宅街の賑わいが形成されていたように、日本を代表する製菓会社のオフィスとして「働くこと」と「住むこと」が違和感なく共存できる街並みに寄与できればと考えました。

構造設計主旨

外壁面を利用したブレース構造としています。
屋根面に作用する梁間方向の地震力は、両妻面の大きな外壁に納めたブレースで負担させることにより柱の負担を軽減させ、さらにチューブ構造のように柱を短いピッチで並べることにより柱サイズを小径化しています。
これにより執務スペースの奥行きを最大限確保しています。
また、この柱ピッチを廊下のサッシュ配置と一致させることで屋根を支える柱の存在を隠し、ゲート状の屋根形状を強調する役割を果たしています。

設備設計主旨

これまでのロッテオフィスの実績を踏まえ、要所への人感センサー設置による照明制御のほか、自主的な感知器設置、簡易な来客受付システムの導入等より、更なる環境配慮、安全性向上に努め、かつローコストな設備計画としています。

エントランスホールの吹抜け部では、機能を保ちながらデザインを生かす目立たない空調、照明計画としています。

執務室の室内環境として、外部負荷のかかる開口部をやめ、廊下・ホールから間接的な自然採光をしているため、照明エネルギーと空調エネルギーを効果的に削減しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 河野晴彦、尾島寛和、各務篤史
構造設計 田中勉、増田和雄
設備設計 高木健、鈴木真人、山下盛久
電気設計 高木健、星野顕