平河町森タワー
- 用途:店舗、事務所、集合住宅
- 所在地:東京都千代田区
- 延床面積:51,761m2
- 地下:2階/地上:24階
建築設計主旨
本建物は、永田町に隣接した都心の一等地にあります。
20数年を費やした第一種市街地再開発事業を特定代行制度にて実施されました。
「日本の中心を感じながら働き、生活をおこなうこと」をテーマとし、低層部は地盤の段差7mを生かした2層に渡るエントランス・車寄せ、緑に浮かぶテラスをもった店舗、高層タワーは下層のオフィスと上層に高級レジデンスからなり、最上層はペントハウス住戸と地上100mの屋上オープンテラスを設けています。
特徴的な頂部は周辺に都市生活の豊かさを発信する構成となっています。
外観では、住宅バルコニーを最小として△マリオンで、タワーに統一感と品格を与える一方、最上部2層には透明感を持たせ都市生活の気配を街に浮かび上がらせることを意図しています。
首都高速の高架とトンネルに隣接し地下鉄半蔵門線直上の条件で埋もれていた土地に、超高層で職住が快適に近接するCASBEE認証Sクラス取得の環境配慮型空間が提供されています。
構造設計主旨
基礎構造は、GL-21m以深のN値50以上の砂礫層に支持される場所打ちコンクリート杭です。
上部構造は2~7階が16mスパン(最大部では19.3mスパン)、トレンチ階を介し8~10階が8mスパンの鉄骨ラーメン構造で、上層の住宅階の柱を8階とトレンチ階の2段の大梁で支持する構造としています。
梁間方向がほぼ1スパン構造のため地震時の変形が厳しくなることから、1階柱の柱脚は埋込み柱脚として固定度を高めることで地震時の変形を抑えています。
設備設計主旨
給水方式は用途毎に計画し、店舗部分は直結給水方式、住宅部分は増圧給水ポンプ方式、事務所部分は受水タンク+加圧給水方式をそれぞれ採用しています。
事務所の原単位は、保健所と下水道局との協議結果をもとに水道局と協議した上で0.1人/m2、60L/日/人とし、受水タンク設置スペースの縮小化を図っています。
事務所部分の換気設備には直膨コイル付全熱交換器を採用して冬季の湿度不足防止を図り、共用部は外気処理パッケージで外調空気を供給することにより、共用部の負圧化防止を図っています。
シャフト内に1階から屋上までの厨房排気ダクト増設用スペースを確保することにより、飲食店舗のリーシングの制約の低減化にも配慮しています。
事務所部分の受変電方式は高圧6.6kV1回線受電とし、屋上にキュービクルを設置し、事務所OAコンセント容量は60VA/m2を確保しています。
住宅部分は集合住宅用変圧器より供給し、全電化住宅で計画することで安全性に配慮しました。また、発電機は事務所・住宅兼用でトレンチ階に設置し、計画地外周部から見えにくい配置としています。
担当
大成建設担当者 | |
---|---|
基本設計・監修 | 森ビル株式会社 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
ライティングデザイン | 内原智史デザイン事務所(建物) トミタ・ライティングデザイン・オフィス(外構) |
インテリアデザイン監修 | 乃村工藝社 A.N.D. |
大成建設担当者 | |
総括 | 河野晴彦 |
建築設計 | 今里清、近藤卓哉、教誓勉、須藤拓、細川博史、鈴木彰信、佐々逸人、光高啓二 |
構造設計 | 田中勉、増田和雄 |
設備設計 | 高木健、安藤一成、賀上貴明 |
電気設計 | 高木健、星野 顕、中井信雄 |
ランドスケープ | 藤澤亜子 |
社外受賞
2012年 | 第23回 電気設備学会賞 技術部門 施設奨励賞 |
---|---|
2014年 | 平成26年度 ヒートポンプ・蓄熱システム運転管理等の改善事例 優秀賞 |