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WORKS 2010

エーザイ 小石川ナレッジセンター

用途:事務所
所在地:東京都文京区
延床面積:7,232m2
地上:2階/地上:4階

建築設計主旨

本建物は、本社ビルであるエーザイ本館の正面にあり、企業価値向上の戦略策定機能の強化を企図する組織と、新しい薬の開発とその臨床に携わる社員が入居する施設です。
ヒューマンヘルスケア(hhc)を掲げ患者様貢献を企業理念とする企業に相応しい明るく清潔感ある建物の創造を心掛けています。

特に「質実剛健」を基本コンセプトとして自然光の導入・隔たりのない領域形成・コミュニケーション促進を目指し、役員から社員まで真のニーズを取り入れたファシリティマネジメントに至る総合的視点でデザインしています。
組織数と人員数の関係で執務エリアは地下1階にも配置せざるを得ないため、地下までの自然光を導入するためにガラスカーテンウォールに面して5層に渡る吹抜け空間を設けています。
そのため組織間の間仕切りや会議室等の個室の間仕切りは強化ガラスで構成されたフレームレスの既成品を採用し、空間の隔たり、自然光の導入に支障のないよう配慮しています。

組織間のコミュニケーション促進に対しては、吹抜けと縦動線である階段に併設してコラボレーションエリアという多目的スペースを配して新しいワークスタイルの提案を行っています。

構造設計主旨

事務室が配置される地下1階~4階はS造を採用することでスパン16mの無柱空間を実現しています。

吹抜け部のカーテンウォールを支える間柱は、最上階の梁に鉛直荷重を負担させることで風荷重のみを負担する柱とし、厚板の鋼管を採用して柱サイズ小さくしています。
また、吹抜け部の間柱と同様に建物正面に配置される本体の柱は、地震荷重を他の部分に負担させ、鉛直荷重のみを支える柱とし、吹抜け部の間柱と同サイズとしています。

カーテンウォールを支える耐風梁には点検歩廊を兼用した合わせ板ガラスを採用しています。

設備設計主旨

計画初期段階で経営者及び施設利用予定社員に行ったT-パレットの結果と施主担当者から要望から導かれたテーマは、建物利用者の「快適性の追求」と「省エネルギー対策」でした。

快適性を損なわない実績ある省エネルギー技術の採用はもちろん、セキュリティ性の高い計画を実現するとともに、一方で地下2階には製薬会社としての保管庫や倉庫が存在するため、非常時における保管物への影響を極力抑える目的で、当該空調系統を発電機による電源バックアップ(約8時間運転)とし、消火設備も窒素ガス消火設備を採用し、BCPにも配慮しています。

担当

大成建設担当者
監理・監修 株式会社サンプラネット
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
工事監理 株式会社安井建築設計事務所
大成建設担当者
建築設計 今里清、平井浩之、玉井麻由子、内藤健吾、堀江晋一
構造設計 関清豪、西尾博人
設備設計 中田義治、青木敏、藤村淳一
電気設計 中田義治、穂苅伸博、近森真洋
シミュレーション 横井睦己、菅原圭子

社外受賞

2011年 第24回 日経ニューオフィス賞ニューオフィス推進賞
2012年 第6回 日本ファシリティマネジメント大賞優秀FM賞