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WORKS 2009

南江堂第二ビル

用途:事務所
所在地:東京都文京区
延床面積:1,018m2
地上:5階

建築設計主旨

主に医学書を扱う出版会社である南江堂の既存第二社屋の建替計画です。計画地は文京区本郷に位置し、幹線道路から1本奥まり、児童遊園に隣接する恵まれた立地条件を持っています。建築主が本を扱う会社であることからも本箱のイメージを具現化したいと考え、900mmモジュールの外壁・サッシが自由に並ぶ外観としました。本が整然と並べられた様子が前面道路や隣接する児童遊園からも伺うことができます。
柱型・梁型の出ないすっきりしたフラットスラブ架構により、300mmのボイドスラブ間に壁柱・開口部を自由に配置できるシステムを構築しました。階段、ELV等が納まるコア部分に主に水平力を負担させ、外壁を構成する壁柱の負担を軽減することで、このシステムが成立しています。
室内に柱型・梁型が出ないため、事務室内のレイアウトの自由度が高まり、スラブ下まで伸びる自然換気も可能なハイサッシ、天井段差を利用した間接照明などにより、開放感あふれすっきりとした執務空間が実現されています。

構造設計主旨

狭小敷地に計画される事務所ビルとして、外部の視線を意識しつつ採光が確保できる自由な開口と柱型のない広い執務空間及び将来の用途変更にも柔軟に対応できる空間自由度の高い構造計画が要求されました。
これらの要求に対し、壁柱とボイドスラブを組み合わせた「フラットプレート架構システム」を採用しました。主にコアの耐震壁に地震力を負担させることで、壁厚と同厚(t=180~220mm)の柱と厚さ300mmの扁平梁としています。最大スパン9.5mを厚さ300mmの中空ボイドスラブとすることで、階高を抑えつつ柱梁型のないフラットな架構を実現しました。

設備設計主旨

建築デザインとの一体化を考慮し、電灯設備はベース照明をライン状に配置して、外壁側には間接照明を設けました。また、環境に配慮し照明器具の点滅には昼光利用制御や人感センサー制御を用い、ダウンライトの一部にはLEDを採用しました。
防犯面では、カードリーダーによる入退出管理や人感センサーによる機械警備、防犯カメラを設置し安全性の向上を図りました。
給水方式は直結増圧方式とし、節水型便器を採用することにより、給水使用量削減と維持管理の容易化を図りました。
空調方式はビル用マルチパッケージエアコン方式とし、全熱交換型換気扇との併用により省エネを図りました。

担当

大成建設担当者
建築設計 高橋章夫、花村明秀
構造設計 早部安弘、渡辺征晃、谷翼
設備設計 廣川純一、吉田典彦
電気設計 廣川純一、箭内伸司

社外受賞

2010年 グッドデザイン賞
2011年 第13回 グッド・ペインティング・カラー 新築部門 最優秀賞
20112年 作品選集2012