HOME > WORKS2009 > 第2データセンター

WORKS 2009

第2データセンター

用途:情報センター
所在地:神奈川県横浜市
延床面積:7,220.60m2
地上:5階/塔屋:3階

建築設計主旨

本計画は国内最高クラスのスペックを持つ中規模データセンターです。多段階に設定されたセキュリティーに基づくプランニングとともに、免震工法・フラットスラブ等の採用により、ハード・ソフトの両面において安全で自由度の高いサーバールームの確保を実現しています。
外観は、近接するマンションや住宅等周辺環境への騒音・圧迫感における配慮、データセンターとしての先端性と洗練されたイメージの表現を主眼に構築しました。機能を最大限に確保する為の正形でマッシブなボリュームに対し、圧迫感を低減しながら軽快に見せる為に、『包む』『切る』『穿つ』をキーワードとして計画しています。堅牢・厳格・守秘を象徴するブラックボックスを白いシールドで包み、分節し、必要とされる最小限の開口を穿つことで、建築自体が機能的でありながら軽やかな、ひとつのマシンイメージを体現することを目指しました。
また、内部は『ホスピタリティー』をテーマに計画しています。外部と同様、白を基調にしながらも木質系の表現をアクセントとして用い、来訪者をやわらかく迎え入れ、もてなすための空間づくりを目指しました。

構造設計主旨

建築・設備計画とともに、データセンターとしての機能的な空間を最大限に確保するための構造計画としました。
1~2階では特高電気室等、サイズの大きな設備機器を配するスペースが中心となっており、大空間の確保を目的としてCSビーム構法(柱RC+梁S)を採用しました。また、3~5階のサーバールームでは、ラック配置のフレキシビリィティ確保及びスムースな空調循環を実現するためフラットスラブ構造を採用、無梁・無柱空間を実現しています。
また、免震構造(ハイブリットTASS構法)の採用により、大規模災害時におけるデータセンター機能の維持・継続を実現するための耐震計画としています。

外装計画では、外壁面から最大1200mm跳ね出したフィンに対し、外壁に面する主柱を最大限利用した合理的な水平荷重伝達を計画、建築のイメージするシャープで軽快なファサードデザインを実現しています。

設備設計主旨

電源設備は、サーバの負荷変動や負荷偏在、実装状況に応じた電源設備段階実装を可能としました。UPS(無停電電源装置)は、並列冗長方式の段階実装とし、電源幹線は2系統(A系・B系)の「バスダクト方式」により、各階に供給しています。
空調計画は、空調室内機に「高効率34HPパッケージ方式」を採用し、屋上には、屋外機専用架台を設けるとともに、屋上散水も備え、空調効率削減を計画しました。また、将来2期棟を隣接地に増築できるよう、設備インフラルートやインフラ容量についての対応も行っています。

担当

大成建設担当者
建築設計 今里清、鈴木智子、米澤俊樹
構造設計 田中勉、大畑克三、渡辺淳一
設備設計 出野昭彦、高木淳、豊原範之
電気設計 出野昭彦、高木淳、山口亮