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WORKS 2008

THE KOSUGI TOWER

用途:集合住宅
所在地:神奈川県川崎市
延床面積:81,686.56m2
地下:2階/地上:49階

建築設計主旨

当建物は、地下2階~地上49階建て計689戸の分譲住宅です。タワー本体のデザインは、足元から頂部へとアースカラーによるグラデーションを基調とし変化をもたせ、足元のランドスケープに呼応した有機的なデザインとしています。外構はゆったりとした風景式庭園をモチーフとしたデザインとしています。7つの異なるテーマ(バラ、白、赤、水、春、夏、秋)のエリア設定に加え、四季折々に楽しめる花や樹種を選定しました。また、この庭園は四季の回廊を回遊して楽しむことができます。
居住空間のプランニングとしてセンターボイド形式(光庭)を採用しています。この形式は廊下側の自然採光と自然換気を確保できるため廊下側にも居室が配置できるメリットがうまれます。住戸プランは総住戸数689戸に対して380を超える多彩な間取りを設定しました。「標準プラン」から「スタイルセレクト」という発想にシフトすることで(ファミリア、コネクティア、ストレージア、ビューバス、ロフトなど)バリエーションを生み、より柔軟なライフステージに対応しました。

構造設計主旨

主体構造は鉄筋コンクリート造であり、地上部の架構形式としてはロ字型を成す建物の外周と内周にフレームを配置したダブルフレーム構造を採用しています。地下部分については、地下外壁と適度に配置した内壁を耐力壁とした強度抵抗型の耐震壁付きラーメン構造としています。コンクリート、鉄筋には高強度材料を用い、特に建物の1階部分および一部2階の柱(総数52本)には国内最大級となるFc150 N/m㎡超高強度コンクリートを採用しています。さらにコア廻りには、履歴型制振間柱(RC-LOYAL)を設置することで地震時のエネルギーを効果的に吸収し、主骨組の耐力と変形性能の向上を図っています。
居室部分のスラブはFR版ボイドスラブ(厚さ330mm、340mm)を採用することで最大約10m×24mの無柱空間を実現させ、建築計画上の自由度を高める設計としています。重量床衝撃音遮断性能は、スラブ素面においてLi,Fmax,r,H(1)-50の性能を満足しています。
基礎種別は場所打ちコンクリート拡底杭による杭基礎とし、横補強筋に高強度異形PC鋼棒を用い靭性を高めるとともに、杭頭部は鉄筋を基礎に定着しない半剛接合構法(F.T.Pile構法)を採用しています。

設備設計主旨

設備はハイグレードな発注者要求仕様をローコストの条件の中で取り入れ、ディスポーザー設備や給湯暖房熱源機による温水式床暖房・浴室暖房換気乾燥機、タンクレストイレ等を設置しています。セキュリティについては、ノンタッチキーを利用したダブルオートロックと、共用部各所に防犯カメラを設置し、防犯性を高めています。
また、外構照明では、ライトアップする樹種を季節によって変えることにより庭園を演出し、円形の回廊は、LEDの庭園灯をコンピュータ制御でリズム的に点滅させており、歩行者だけでなく上階からも楽しむことができます。

担当

担当
総合デザイン監修 光井純アンドアソシエーツ建築設計事務所株式会社
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 森行臣、泰誠、村上嘉浩、脇田勝広、教誓勉、中島幸夫
構造設計 原孝文、小田切智明、南輝弥
設備設計 秋野陽一郎、久保田祥彰、藤田協二
電気設計 秋野陽一郎、中井信雄