新宿三丁目 イーストビル
- 用途:物販・飲食複合ビル、映画館
- 所在地:東京都新宿区
- 延床面積:26,360.56m2
- 地下:3階/地上:14階
建築設計主旨
計画地は新宿駅東口の日本有数の繁華街に隣接し、JR新宿駅の南口から絶好の視認性をもつ立地です。北側に買物客や歩行者天国の人々で賑わう新宿通り、南側をJR南口から続く甲州街道と2つの大通りに囲まれています。
東京メトロ丸の内線、都営新宿線新宿三丁目駅からのアクセスに加え、2008年6月には東京メトロ副都心線が開通予定で、さらなる賑わいが期待される地域です。
建物は地下1階から7階が物販店舗、8階に飲食店舗、9階から14階が9シアターからなる新宿初のシネマコンプレックスで構成され、観る・味わう・選ぶといった楽しみを立体的に体感できる都市型の複合商業施設です。
より多くの人々を惹きつけるために、人々が観る場所や移動するスピードによって、あるいは自然光の変化により建物が日々刻々変容して観えるようガラスリブを設置し、魅力的なジュエリーボックスとしてのファサードデザインを実現しています。低層部は街並みの連続性を表現しながらも賑わいを感じさせるガラスのショーケースとし建物に浮遊感をもたせています。新宿における新しい回遊動線を創出するランドマークを目指したデザインとしています。
構造設計主旨
構造形式は、地震後の早期営業再開を目標とする高い耐震性能に加え、1・2階店舗エントランスの開放性と9~14階映画館の26.4mx38.4mの大空間を実現するため、1~8階は制震ブレース、9~14階は耐震ブレースを外周部に配置する「アウトフレームブレース構造」を採用しています。
特に建物北側は人通りの多い新宿通りに面しているため、中小地震だけでなく大地震にも仕上げ材やガラスの落下を防ぐ必要性をクライアントに説明し、吹き抜けや柱抜けが多い1・2階の映画館エントランス部にデザイン性を考慮したオイルダンパー付ブレースを設け、大地震時にガラスが破損しない層間変形角(1/150以下)に抑える設計としています。
設備設計主旨
本施設は、利用時間帯や負荷状況が異なる物販・飲食等の店舗及び映画館を中心とした複合商業施設であり、設備的な要求性能が混在した建物です。
設備計画としては、空調熱源に氷蓄熱システムを採用するなど、用途に適した省エネルギー性、省スペース性の高い設備システムとしています。
ファサードの照明計画としては、全体に色温度の高い演色性の高いランプを配置し、加えて低層部に色温度の低いランプを配置することで、建物の高さを意識させる設計としました。
防災設計主旨
全館避難安全性能の検証を行なうことで物販店舗に必要な階段幅の削減と階段までの歩行距離の延長が可能となり、同時に排煙設備の最適化をすることで空間を有効に活用する計画としています。
また、階段の前室および非常用エレベーター乗降ロビーに加圧給気を行なうことで避難階段への煙の漏出を防ぎ、避難安全性を高めるとともに消防活動の安全性向上にも配慮しました。
担当
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設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
設計協力 | 株式会社石本建築事務所 |
大成建設担当者 | |
建築設計 | 吉田進、中澤織行、西裕子 |
構造設計 | 篠崎洋三、渡辺征晃 |
設備設計 | 榎並顕、伊藤肇、木下清一 |
防災設計 | 杉山満、林広明、堀江和之 |