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WORKS 2005

ナカニシ CNC棟

用途:精密機械工場
所在地:栃木県鹿沼市
延床面積:3,580.75m2
地上:1階

建築設計主旨

歯科医療器具などの高速回転機器を開発・製造する企業の増築棟計画であり、栃木県日光市に程近い大芦川と日光連山との際に位置しています。歴史的には舟渡場として栄え、敷地裏手に聳える旧蹟の御幣岩(絶壁)が、四季折々の姿を見せます。
計画にあたり、川と山のエッジであることに着目して、水平性と垂直性を両立させたデザインとし、自然に対峙しつつも調和する佇まいとしました。また敷地周囲に広がる日本独特の情緒ある風景に対して、大屋根、縁、縦格子等の和風建築言語により、表情に奥行感と陰影を持たせました。

構造設計主旨

この地帯一体は、落雷多発地帯であり、吊構造のマストを避雷針として兼用させています。吊架構としては、直径60mmのテンションロッド材と直径280mmのマストを用いて、大梁せいを小さくし、屋根の軽量化を図りながら、メインスペースである加工室に30.5m×90mの無柱大空間を実現しました。
敷地の制約から各通りにおけるロッド材の角度と長さが全て異なるため大屋根を支える30.5mスパンの大梁たわみ量とロッド材を支持するマスト柱変位をほぼ均一となるよう各通りで異なる導入軸力を設定しました。

設備設計主旨

設備計画においては、生産機器からのオイルミスト対策と空調のランニングコスト削減をテーマとしました。
建築設計と調整し、加工室には天井を貼らず、大空間の居住域を限定して空調する成層空調システムを採用しました。これにより、内部容積を最大限確保することができ、オイルミスト濃度を薄めることが可能となりました。
また上層にはオイルミスト及び熱気を溜め、東側屋根段差から排気し、下層には年間を通して安定した温湿度環境を効率よく提供しています。

担当

大成建設担当者
建築設計 古市理
構造設計 豊田祥之
設備設計 永井伸二
電気設計 鈴木秀佳