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WORKS 2004

パイオニア淡路工場

用途:組立加工工場、事務所
所在地:兵庫県南あわじ市
延床面積:8,971.90m2
地上:4階

建築設計主旨

周辺環境に融合した 「緑」の中の工場
「緑の中の-働く人にやさしい工場-を創りたい」という社長のコンセプトの元に、いかに自然に融合するかを問いかけた作品です。
緑、桜、湾、潮風そういった環境の中でいかに自然と向き合うかをわかりやく表現しました。

  1. 敷地周辺との色彩的調和
    敷地周辺の土、石の色イメージを具現化するため、既成の成型版にカラーウレタンクリアー塗装でむらのある色イメージを実現しました。
  2. 「そのままの自然」と「人工的に創られた自然」との対峙
    各アプローチの正面には光を取り込んだり、美しい眺望を切り取るためのスリット窓を設けたり、地窓とハイサッシとのアレンジ、スリットと大開口とのアレンジ等の工夫を施しました。
  3. 周辺環境にせり出した休憩スペース
    工場エリアからせり出したウッドデッキからは山並みが一望でき、またウッドデッキは内部まで貫入し、生産ラインに近接しています。このように緑の中の工場を具現化する最も象徴的な空間となっています。
  4. 工場内どこにいても視線が通る工夫
    あらゆるところに視線が通るように吹抜けを設けたり、間仕切りをガラス化すること等により、人の動きが見える一体的な工場を目指しました。

構造設計主旨

工場棟は、将来の生産ラインの変更にも対応できる空間構成を主目的として柱配置・スパン割等を設定し、鉄骨造の純ラーメン構造としました。さらにトラックの搬出入部分は無柱空間で計画しました。
事務所棟は、1階の多くの吹抜けを無柱空間で計画し、外部仕上にガラス部分が多いため、見え掛りを配慮して純ラーメン構造としました。

設備設計主旨

工場エリアでは作業性が重視されるため、床置PAC+ダクト引きによる全体空調とし、快適な熱環境を提供しました。また蛍光灯器具による視認性の向上に配慮しました。
事務所部分においても床暖房の採用により吹き抜け空間に生じやすい冬季の垂直温度むらを解消するなど居住性の向上に配慮した計画としました。
また、照明、空調の集中管理や高効率照明を主体とした計画及び、屋外植栽散水用水源に雨水を利用するなど、省エネルギーにも留意しています。

担当

大成建設担当者
総括 青柳恒雄
建築設計 平井浩之、松井美和
構造設計 小林一成、岩井照夫
設備設計 岩村卓嗣、岡部裕之
電気設計 穂苅伸博、山中康弘
ランドスケープ 小倉満

社外受賞

2005年 第30回 日事連建築賞奨励賞