サウザンドシティ
- 用途:集合住宅
- 所在地:神奈川県川崎市幸区
- 延床面積:137.905.50m2
- サウザンドタワー(1番館)地上:地下:1階/41階/塔屋:2階
(2番館)地上:7階
(3・6番館)地上:8階
(4・5番館)地上:13階
(7番館)地上:12階
(集会場)地上:2階/最高高:135m
建築設計主旨
サウザンドシティ『花と緑の公園都市』
サウザンドシティは神奈川県住宅供給公社及び川﨑市住宅供給公社の共同事業によって実現した、敷地約3ヘクタールに建つ1000戸の共同住宅です。敷地にはランドマークとなる地上41階のサウザンドタワー(1番館)と7~13階建ての中高層棟(2番館~7番館)、及び2棟の集会施設が配されています。このプロジェクトは『花と緑の公園都市』をテーマに、居住者の為の駐車場を地下に設け、歩行者動線と車輌動線を明確に分けることによって、樹木約2万本の緑豊かな街区を実現しました。
サウザンドシティは既存の公共用地と併せて、街路・広場などを有効に配置し、緑と歩行者ネットワークの拠点として土地利用計画を行いました。地区内に配された緑豊かなオープンスペースは、住棟配置とともに敷地内外に開かれた計画としました。
また各オープンスペースを繋ぐ街路との結節点にはプレーロットを配しコミュニティの形成にも寄与できるようにしています。特に隣接した低層住宅地へは、開かれた緑のオープンスペースが面するよう配棟計画を行いました。
住棟が隣接街区に面する部分では、1階にピロティを設け、外部との空間的繋がりを意識し、周辺街区に対し閉鎖的にならぬよう配慮しました。
また、旧町田堀と大師堀を東西に繋ぐ街路は、隣接するパークシティ新川崎の街区を意識しながら、将来南部線が高架になった際にも連続性のある都市軸が形成されるよう計画しました。
一方、『安全・安心街づくり』の観点からこれらのオープンスペースは、出来るだけ見通しのよい外構計画とし、意識的な防犯を促すよう配慮しました。また、ITVカメラの設置はもとより、県警の協力によりスーパー防犯灯の設置も実施しています。
一方1000戸のコミュニティをサポートする為、児童図書館、工作室、多目的ホール及び会議室などさまざまなアメニティ施設を設けました。またサウザンドタワーでは、3・15・26・38階に共用施設を設け、縦のコミュニティ形成にも配慮した計画としています。
構造設計主旨
サウザンドタワーを含む住棟7棟全てが、大成建設の免震構造「ハイブリットTASS構法」を採用しています。
特にサウザンドタワーは、免震構造の建物として高さ(竣工時には日本一の記録を持つ)はもとより、その規模(基準階延床面積1,284m2、住戸数469戸)において日本有数の記録を誇っています。さらに免震建物の総延べ床面積137,905m2は世界最大の規模となります。
全ての住棟は、免震装置を地価駐車場として一体化された人工地盤と1階梁との間に設置した中間免震の建物群となっています。
大成建設の免震構法「ハイブリッドTASS構法」は、独自の天然ゴム系積層ゴムと弾性すべり支承を組み合わせた構法です。この構法では、積層ゴムにより免震建物の周期を4~5秒まで長周期化し揺れを抑えることができ、またすべりにより地震エネルギーを吸収し、高い免震効果を発揮します。
今回の建物群のように同一システムで低層建物から超高層建物まで幅広く適用可能な免震構法です。
なお、建物に伝わる地震力が大幅に低減されるので、構造部材断面がよりスリムに計画されています。
設備設計主旨
免震建物であるため、設備、電気的にも配管、灰背印に免震継ぎ手を用い免震対応を行っています。
法的規制により雨水貯留を行っているため、環境共生の立場から雨水の再利用を実施しました。敷地内に降った雨を地下の貯留層にためて、その一部をろ過、滅菌して、植栽散水や水景設備の補給水として利用しています。
また、外構の照明の一部には太陽光を利用した照明設備を設置しています。
また住戸内は24時間換気設備が法制化される以前のプロジェクトであるが、当初から導入をしてシックハウス対策を行っています。
担当
大成建設担当者 | |
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総括 | 宮崎秀一、矢作操、森行臣 |
建築設計 | 藤原章夫、教誓勉、細川博文、杉山貴則、渡辺修、坂井明雄、萩野香奈子、服部由佳、北村直子 |
構造設計 | 川端一三、高山正春、古田新、前澤澄夫、高木吉之助、西川泰弘、木村雄一、井上慶一郎、山崎英一、一色裕二、水谷志保、新田隆雄、小林治男 |
設備設計 | 小垣外武雄、中田孜、棚橋東峰 |
電気設計 | 藤村庄次、根本昌徳、山中康弘 |
機械 | 井上貞明、倉本清、重田春夫、賀上貴明 |