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WORKS 2002

ユニマット シギラハウス

用途:ゲストハウス
所在地:沖縄県宮古郡
延床面積:646.44m2
地上:2階

建築設計主旨

沖縄本島の南西約300km、亜熱帯気候に属する宮古島で長年に渡ってリゾート開発を手掛けてきた企業グループオーナーの居宅兼ゲストハウスです。
島の南岸、シギラ岬にある計画地はゴルフ場を背後にリーフに囲まれた海を間近に望む、開発エリアでも有数の景観を誇る立地にあり、計画に当たっては景観上のフォーカルポイントとして豊かな自然をバックに“絵になる風景”を創り出すことが求められました。
南国の強い日差しに映える、彫りの深い陰影を映し出すデザイン。そんな処から地中海沿岸の南欧風デザインを選択しています。
配置計画では、宮古島特有の冬の季節風対策として、屋外プールを取り囲むように建物を北側に配置することで風をコントロールしながら、主寝室と3つのゲストルーム、リビングルームを180度の眺望が広がる海側に開放しています。
南欧風デザインの外観やパブリックスペースに対して、プライベートな寝室やガゼボ(見晴らしの良いベッド付きの望楼)はオーナー好みのアジアンテイストを強く意識したインテリアデザインとしています。

構造設計主旨

本建物は鉄筋コンクリート造の2階建てで、一部に耐震壁を持つラーメン構造です。ガゼボ棟はエキスパンションにより別棟とし、接続部に起こる応力集中を回避しています。当敷地は盛土による造成を行なっている事から、基礎工法は杭基礎を採用しています。(PHC杭による打撃工法)。支持層はコーラルと呼ばれる琉球石灰岩の堅固な層で、比較的浅いものの、杭先端の深さは場所により差が出ています。建物の塩害対策として、躯体外周面については、鉄筋のかぶり厚さを10mm増しとしました。また、庭に面するテラスの庇鉄骨や、駐車場の上屋鉄骨も、防錆対策から溶融亜鉛めっき処理を行なっています。

設備設計主旨

照明計画は、アジアンティストを演出する為、全般的に明暗のパターンを強調した素朴な雰囲気とし、主要な諸室には調光システムを採用しています。
外構照明は夜間の安全・快適性を確保するとともに、建物へのライトアップでは南洋樹の影を外壁に落とすなど、奥行き感を強調した計画とし、周辺のリゾートに対する夜間景観を演出しています。
その他、建物の性質上セキュリティーには、充分な配慮がなされていて、不審者の侵入・火災・設備異常に付いては、即刻機械警備会社へ自動通報出来るシステムとしています。
空調設備においては、建築のイメージを損なわないよう、隠ぺいタイプを主体とし、天井設置の吹出口類の形状、位置に留意しています。また、中間期の通風も考慮した建築計画としています。
宮古島という気候風土から、屋外機器は重耐塩仕様とし、海風を避ける位置に配置しています。

担当

大成建設担当者
総括 吉村義昭
建築設計 古川公昭
構造設計 浅山長生、山本茂己
設備設計 安田泰、中村和久、石村佳子