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WORKS 2002

メナード化粧品本社ビル

用途:事務所、ショールーム
所在地:愛知県名古屋市
延床面積:9550.31m2
地上:14階

建築設計主旨

名古屋市大通り公園の緑の中にうかぶこのビルは、都市環境へのやさしさをテーマにしています。ガラスのファサードは光の変化によるさまざまな表情の中に、透明感とやわらかさを併せ持つように意図しました。半透明な乳白色のボックスをイメージし、ガラス全面に細いストライプのプリントを施してあります。

化粧品会社の本社ビルです。1・2階は自社ショールーム、美容室、エステルーム。ガラススクリーンを通して公園の緑を取り込み、開放的なリラクゼーション空間としました。さらに、エントランス空間は市民に開放して、公園通りに新しいにぎわいと明るさをもたらしています。オフィスは1フロアー約480m2のフレキシブルなワークスペースです。コアにも積極的に光をとり入れ、コンパクトで開放的なプランとしました。行き交うワーカーが気分転換し、コミュニケーションを取りやすくするためです。最上階は庭のある社員食堂。天井高さを充分にとった緑ゆたかなアメニティー空間を志向しています。

「美しさにまごころこめて」の企業理念のもと、この建物はサスティナブル(長寿命)で安全なビル、環境に配慮した省エネルギー建築を基本としました。最新テクノロジーの複合免振構造(ハイブリッドTASS構法)や複合構造(梁S造・柱RC鋼管造)により耐震・耐火性能を向上させ、飛躍的に安全性と機能性を高めています。また、環境配慮型ビルとして省エネルギーを追及し、ダブルスキンカーテンウオールに加え、クールピット、躯体蓄熱、ナイトパージ等を採用し、年間1次エネルギー使用量の約30%削減を見込んでいます.

構造設計主旨

地震リスクの最小化をテーマに構造計画を行ないました。杭は高強度鉄筋補強場所打ちコンクリート杭とし、耐力と変形性能を大幅に改善し、低コスト短工期を実現しました。また、免震構造(ハイブリットTASS構法)により、地震時の揺れを大幅に低減し、安全性の確保と、建物機能の維持を図りました。さらに高強度鉄筋コンクリート柱と鉄骨梁とで構成するシステムを採用し耐震性能、耐火性能を高めました。また鋼管を型枠代わりにすることにより、建築廃材を低減しています。

設備設計主旨

躯体蓄熱空調システム
基準階の空調のゾーニングを、ペリメータとインテリアに分離し、インテリア部分は年間冷房としています。インテリアゾーンの空調のランニングコストの低減と個別空調の実現を図る為、天井インペイ型氷蓄熱パッケージを採用しています。
そのパッケージを利用して、コンクリート躯体に安価な夜間電力を利用して冷熱を貯める躯体蓄熱を行なっています。床面下部を平滑に仕上げ、ダンパー切替により夜間用天井内吹出口より、床面下部にコアンダ効果を利用して水平に空調空気を吹付け、スラブ全面に冷熱を蓄熱します。5時間の15度冷風吹付蓄熱運転により、躯体の温度は約2度低下し、この熱を昼間の空調時に利用して昼間の消費エネルギーを低減しています。躯体蓄熱を行わない一般の方式に比べ、氷蓄熱との併用により約30%ランニングコストを低減することができます。ピークの負荷は約35%小さくできます。また、空調開始時には室内は予冷を行なわなくても、設定温度となり快適性が増しています。

担当

大成建設担当者
総括 橋本緑郎
建築設計 浅井博光、長谷部等、三橋啓史
構造設計 武貞健二、渡辺淳一
設備設計 水川信夫、延原龍雄、杉橋琢哉
インテリア(1、2階) 大野博文、徳野博子

社外受賞

2002年 第10回 愛知まちなみ建築賞
2003年 第16回 日経ニューオフィス賞奨励賞
2004年第29回 日事連建築賞奨励賞