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WORKS 2002

安心院葡萄酒工房

用途:ワイン工場
所在地:大分県宇佐郡安心院町
延床面積:344.85m2
地上:2階(ワイン醸造場のみ、他は平屋)

建築設計主旨

「杜の中のワイナリー」が設計コンセプトです。敷地は大分県安心院(あじむ)町の小高い丘の南斜面にあります。園内にはふるさとの里山をイメージして落葉樹を中心にした植樹が施され、ゆるいカーブの斜路による遊歩道は高齢者や車椅子の方が林の中の散策を楽しめる演出としています。
周囲の風景に溶け込むように「和のイメージ」が求められ、建物外観は、切り妻屋根と土蔵風の意匠を施しています。
ワイン工場以外は自然の素材を中心に使用し、ワインの試飲コーナーのあるショップは明るさを抑えた間接照明を配しました。やわらかな土壁と漆喰仕上げの柱面とワイン樽と同じ楢材の床材が、内部にあたたかい雰囲気を醸し出しています。
園内には手造り家具、鉄細工の装飾アートのほか小鳥用の水飲み場など、職人さんによる手造りの作品を配置し、温かみのある小さな小公園が安心院の里に出現しました。

構造設計主旨

葡萄酒工房の生産から販売までの一連の施設であるため、建物の用途ごとに構造種別が異なっています。
生産施設であるワイン工房棟は主要構造を鉄骨造とし外壁は重量感があるスパンクリートを用いています。また、ワイン貯蔵庫は室内温度の変化が少ないように、地中に埋設しているため、鉄筋コンクリート造とし壁が多い強度型の設計としています。
売店棟、事務所棟,休憩所棟は来場者と接する建物であるため、屋根を木造とし柔らかい感じをもたせています。外壁は山間部であるため、建物の耐久性を考え鉄筋コンクリート造としました。

設備設計主旨

葡萄酒工房としての設計コンセプトを極力優先し、その雰囲気に溶け込むような設備計画に努めました。また、商業建築である一方、生産施設としてのワイン工房やワイン貯蔵庫をも有しているため、必要なユーティリティーの確保し、さらに温湿度や照度等の室内環境にも配慮して設備計画を行いました。

担当

大成建設担当者
総括 金納弘
建築設計 本司雅久、伊佐裕子
構造設計 浅山長生
設備設計 竹信弘明、内田元、渡辺英紀