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WORKS 2001

SBS放送センター

用途:放送スタジオ
所在地:静岡県静岡市
延床面積:4,705m2
地上:5階

設計主旨

21世紀に向けてのデジタル放送施設をつくる
SBS静岡放送と静岡新聞は一体の施設として静岡駅の南側、登呂遺跡のほど近くにあります。今回のSBS放送センターは既存本館(1970年丹下健三氏設計)建設時に許可された特定街区内に増築の形で計画されました。
建設の目的は大きく2つあり、ひとつは放送のデジタル化に対応するための新しい施設として、もうひとつは震災直後でも放送可能な施設とすることです。
インフラ切断時に機能させるための、発電機設置、放送用パラボラアンテナ塔も免震層の上に設置しています。またパラボラからの電波が途絶える事の無いよう免震機構の残留変形も検証されています。1997年に竣工した新聞制作センターとあわせて、新聞・放送共震災対策がなされたことになり、かねてからの希望であった非常時報道という、社会的要求に応える体制が整ったといえます。
特定街区の壁面線内に入れられた直方体のヴォリュームは、350m2のスタジオと4層に重ねられたその他の施設を2つの大きなヴォリュームとして、その上にプロフィリットガラスのファサードを持った将来事務室となる部分を一層乗せており、構成をそのまま立面としています。シンプルな構成はCSビームで支えられ、RCながら17mのスパンとしています。カーテンウォールは熱線吸収ガラスのグリーンを用いプロフィリットガラスの表情と調和させています。
またカウンター内に内蔵された照明はロールスクリーンをライトアップし夜間の外部からの視線を遮断するとともにグラデーションのかかった透き通ったグリーンの表情を作り出しています。ペリメータゾーンの熱環境も考慮しロールスクリーンとガラスの間に発生した熱を上部で強制的に排出しています。
スタジオ部分の外壁はその量感を押さえるために水平を強調したリブ形状とし、これは波型の鋼板を用いコンクリートを打設しています。4階情報センターと本館の報道部門が渡り廊下で一体となるようTM(タイムミニマム)の思想で計画され、これが平面配置を決定付けています。

担当

大成建設担当者
総括 河野晴彦
建築設計 田中勉
構造設計 古田新、勝田庄二、平尾明星
設備設計 嶋村和行、安藤一成、高木淳

社外受賞

2003年 第4回 日本免震構造協会賞作品賞(特別賞)