オンワード樫山名古屋支店ビル
- 用途:事務所、自社用倉庫
- 所在地:愛知県名古屋市中村区
- 延床面積:17,107m2
- 地下:1階/地上:14階
建築設計主旨
敷地は、名古屋駅から約800m。駅前や新幹線の車窓からよく見え、非常に多くの人の目に触れる場所にあります。「オンワード樫山名古屋支店ビル」は、これまで別々に保有していた名古屋支店ビルと物流倉庫を統合することで機能向上を図ると同時に、好立地を活かした広告塔としての役割を必要としていました。
ここでは文字やビジュアルイメージを氾濫させずに純粋な広告媒体として建築そのものでメッセージを表現し、外壁はダブルスキンで包み、その間に専用照明を設けることで、夜は建物全体が均質な柔らかい光を発し、都市の中の照明器具のように光らせています。日中は、倉庫フロアではダブルスキンの内側の固定パネルが商品を紫外線から守り、オフィスフロアでは温度の変化で自動的に開閉するため、内部の活動が見え、アクティブに表情を変える建築として都市に参加しています。
この昼間の表情の変化と、均質に面発光する夜の「光の塊」の存在は、街に対して洗練されたブランドイメージを発信し、新しい名古屋の都市風景をつくり出しています。
構造設計主旨
物流倉庫機能としての大空間の要求に対して、CFT(コンクリート充填鋼管)構造を採用することにより、16.5mという大スパンの無柱空間を実現しています。ロングスパンフレームの地震力分担を軽減させるために、両サイドコアを耐震要素として利用する架構計画を採用しています。また、耐火設計を行い柱の75%を無耐火被覆による鋼管ペンキ仕上げとすることにより、倉庫階柱の衝撃に対する強度を確保すると共に、物流倉庫としての有効スペースが確保されています。基礎は、場所打ちコンクリート杭(アースドリル式拡底杭工法)を採用しています。
設備設計主旨
光る広告塔としてのシンボル性、環境への配慮を企業姿勢としている施主の要望へ応える省エネルギー性、倉庫部分が将来事務所用途になっても対応が可能な拡張性を考慮した設備計画としています。氷蓄熱エアコン、全熱交換器、省エネ型照明器具などの省エネ機器導入の他、事務所部分の外部負荷を感知して開閉させる可動ブラインド制御、倉庫ダブルスキン部での室内排気再循環により、ガラスの建築と融合した外壁負荷低減策を適用しました。
担当
大成建設担当者 | |
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建築設計 | 久保勝彦、大吉弘晃、加藤順一、高橋洋介 |
構造設計 | 川村東雄、佐藤啓治、岩井昭夫 |
設備設計 | 山森桂、森山泰行、澤田章、龍英夫 |
インテリア | 高橋洋介 |
社外受賞
2001年 | 第33回 中部建築賞入賞 |
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2001年 | 第9回 愛知まちなみ建築賞大賞 |
2001年 | 名古屋市都市景観賞 入賞 |
2001年 | CFT構造賞 |
2001年 | 第14回 日経オフィス賞 中部ニューオフィス推進賞 |
2002年 | グッドデザイン賞 |