霞城セントラル(山形新都心ビル)
- 用途:事務所、学校、ホテル、映画館、店舗
- 所在地:山形県山形市
- 延床面積:69,461m2
- 地下:1階/地上:24階
建築設計主旨
- コンセプト
- 霞城セントラルは、山形駅西側の区画整理された敷地に、多様な機能集積と新しいにぎわいの創設をめざして計画された地域のあたらしいランドマークとして竣立する官民複合施設です。
- 多様な機能
- 施設は、山形県・山形市・山形県道路公社・山形新都心開発・山形熱供給・ワシントンホテルの多様な機能で構成されています。タワーにはホテル・街づくりセンター・民間オフィス・単位制高等学校・銀行・コンビニなどが、その低層部には産業科学館・観光/旅行センター・パスポートセンター・保健センター・シネマ・会議ゾーン等々、同様な機能が同フロアに集められており、新しい賑わいの創出を目指しました。
- ボイドコア
- 低層棟はプランの融通性を確保する為に奥行きの深いべったりとした平面型を採用していますが、その平面の中央に3箇所の空洞を設け、通風と採光、将来のさまざまな変化に対応する自由な配管スペースとして供しています。この空洞はタワー中央部にも設け、ボイドコア名づけています。
- プレキャストカラーコンクリート
- 外装はプレキャストカラーコンクリートを全面に採用しています。表面にはコーティング材としてフッ素樹脂クリア塗装を施し、コンクリート表面のも自然石のような風合いを生かしながら、高い耐候性を確保しました。パネルの強度確保の為のリブを外部に露出することによって日射制御や自然換気といった外皮としての性能を確保することに成功しました。
- 制振ブレースの採用
- 高層棟の制振ブレース部材は、極低降伏点鋼を用いたアンボンドブレースを採用し、小地震・暴風時の揺れを抑えると共に、中・大地震の地震エネルギーを吸収して、応答量および主架構の損傷を低減させ、被害レベルを軽減させています。この制振ブレースは大地震時に入力される総エネルギーを吸収します。また、靭性に優れており、大地震後でも損傷が少なく交換を必要としない設計としていますが、万一想定を超える大地震により損傷を受けた場合でも、ボイドコア内に集中的に配置することで、建物の使用性を損なうことなく容易に交換が可能となります。
- 環境配慮
- 中間期等には、各室に設けられた自然換気パネルから外気を取り入れ、照明スリットから天井チャンバーを経由してボイドコアに面した電動換気パネルから排気することで、積極的な自然換気が可能なシステムです。また、空調停止後、天井内に溜まった熱気をボイドコア側換気パネルで排出するナイトパージシステムも採用しています。
霞城セントラルは周辺の山形駅西地区を供給区域とする、石油・電気・ガスのトリプルミックス方式による地域冷暖房施設を併設しています。
担当
担当 | |
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設計 | 株式会社日建設計・大成建設株式会社一級建築士事務所設計共同企業体 |
サイン | C.D.I.青山スタジオ ベンジャミン・ウォーナー、吉川博行 |
大成建設担当者 | |
総括 | 只野康夫 |
建築設計 | 町井充、田口晃、保久原功 |
構造設計 | 福島順一、吉田力、服部敦志 |
設備設計 | 山森桂、井上邦彦、大越隆雄、安藤一成、出野昭彦 |
社外受賞
2002年 | 第17回 空気調和・衛生工学会振興賞 技術振興賞 |
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