JRセントラルタワーズ
- 用途:事務所、ホテル、百貨店
- 所在地:愛知県名古屋市中村区
- 延床面積:416,565m2
- 地下:4階/地上:53階
建築設計主旨
JRセントラルタワーズは、名古屋駅の老朽化に伴い21世紀に相応しい新しいランドマークとなるように計画されています。
百貨店、ホテル、オフィス、レストラン街・多目的ホール、展望台、駐車場、地域冷暖房施設、駅施設からなり、延面積416,565m2、地下4階・地上53階建て、建物高さ245mの大規模複合超高層建築です。
高密度都市の中で、限られた敷地の有効利用により、一大交通拠点としての総合ターミナル機能と付加価値の優れた都市機能を融合し、新しい名古屋の都市核として利便性・効率性・快適性・安全性を加味した新時代を感じる魅力ある街「立体都市」を基本コンセプトにしています。
水平線を強調した低層デザインは、周辺建物との調和を考えています。高層デザインは、ホテルタワーとオフィスタワーのそれぞれの自立性を表現すると同時に、直線と曲線、凹凸面とフラット面といった相反する要素の組み合わせを採用しつつ垂直線を協調しています。
またガラス張りの「スカイストリート」「スカイシャトル」は、低層部と高層部を融合する役割を果たしています。
このようなデザイン構成によりダイナミックで彫刻的でオリジナリティーある建築としています。
構造設計主旨
タワーズの構造は形状・規模の異なる2つのタワーを持つ高層部と、それを受ける中低層部からなっています。地下部分は地下鉄をはさんで2つに分断された形状となっています。
高層部は両タワーとも外周及びコア部分に耐震間柱を配置したフレームチューブ構造とし、中低層部は18階トラスばりおよび14階に集約型トラスを設け、外周部に配置した連層ブレース、耐震間柱により、水平・捩じれ剛性の高い架構としています。高層部直下の柱には充填鋼管コンクリート構造を採用しています。
低層中央部分には大スパンの床を支えるフィーレンディール構造を採用し、1階コンコースを無柱空間としています。
地下は鉄骨鉄筋コンクリート造とし、基礎は「杭支持によるべた基礎構造」で、場所打ちコンクリート杭、連続地中壁杭をGL-44m以深の堅固な砂礫層に支持させています。
なお、ホテル、オフィスタワー頂部には居住性改善のためにアクティブ型制振装置を設けています。
設備設計主旨
熱源については、周辺環境負荷の軽減、エネルギーの集中管理、排熱回収、機器の効率的運転などの省エネルギーを目標として計画建物(タワーズ)を含めた周辺建物を範囲とした地域冷暖房が、採用されています。
防災センターは、駐車場1階とホテルタワー・オフィスタワーの19階にそれぞれの3箇所に設置し、光LANにより接続し、総合ビル管理ネットワークを構築しています。
担当
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監修 | 阪田誠造 (株式会社坂倉建築研究所最高顧問) |
デザインコンサルタント・アーキテクト | Kohn Pedersen Fox Associates PC |
設計 | JR セントラルタワーズ設計共同企業体 (大成建設株式会社、株式会社坂倉建築研究所、東海旅客鉄道) |
社外受賞
2000年 | 第32回 中部建築賞 |
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2000年 | 名古屋市都市景観賞 |
2000年 | 第8回 愛知まちなみ建築賞 |
2000年 | 鉄道建築協会賞特別賞 |
2000年 | ディスプレイ産業賞2000 |
2000年 | 照明普及賞 |
2001年 | 第15回 空気調和・衛生工学会 振興賞 技術振興賞 |
2001年 | グッドデザイン賞 |
2001年 | 電気設備学会技術部門施設賞 |
2002年 | 第43回 BCS賞特別賞 |
2002年 | ギネスブック |
2002年 | 日本建築学会作品選集2002 |