技術センター見学
杉山 雄亮(構造)
2007年入社
昨年本館のリニューアル工事を済ませたという大成建設技術センターは、そこを使う研究者達の研究成果やノウハウが随所に盛り込まれつつも、閉塞感というもの感じさせず、訪れるものは皆、大成建設保有技術のレベルの高さに驚嘆するという建物でした。
研修は、様々な研究分野についての説明を受けながら施設内を回るというものだったので、説明も大変分かりやすく、興味深いものばかりでした。そのうちのいくつかについて述べていきます。
環境研究室の先端技術
音環境:
音声体験装置というものの中に入り、音の反射がない体験をしました。この部屋において音の発生源本来の特性が分かるそうです。また床衝撃音研究施設を見学した折には、床厚が150oあっても重量床衝撃音は結構通過してしまうことを体験でき、改めて過密化、複雑化する都市における音環境というものも考えながら設計いていくことの重要性を実感しました。
環境再生:
写真は芝生の開発をしている施設です。中でも目を引いたのが耐塩性植物の開発で、砂漠緑化や、海水による灌漑緑化をとおして、建設業の視点から人と生態が調和した地球環境の実現を目指しており、環境の大成というにふさわしい技術でした
建築構工法研究室の先端技術
各種コンクリート技術:
コンクリートの実習・体験として、一般のコンクリートと高強度コンクリートの練上がり性状の比較とそれぞれのコンクリートの圧縮強度試験を見学しました。
まず、最初に超高強度コンクリートを使った建物の柱梁接合部の配筋詳細模型を見せられたのですが、配筋されている鉄筋の一本一本が、充分筋肉がつきそうなくらいの立派な太さで、それが組まれて納まっているだけでも驚きですが、それ以上にその隙間を縫うように入り込んでゆくのであろう高強度コンクリートの想像以上の流動性に驚嘆しました。
また、圧縮試験における、高強度コンクリートの壊れる瞬間の破裂音はすさまじいものでした。落雷に似たその音は、密実にコンクリートができているいということの証だそうです。改めて、打設前にはドロドロだったものが、ここまで硬くなってしまうコンクリートというものの奥深さに興味を持ちました。
その他の保有技術:
一見すると直接建築に関係なさそうなものがいくつかありました。ですがこれらは、将来的な顧客のニーズを見越した他社との差別化を図るための先行投資だということです。
目先のものだけを追いかけず新しい時代を開拓していく企業体制のなかで、自分にできることをこれから模索していこうと思います。