技術センター見学
嶺岡 慎悟(構造)
2006年入社
大成建設技術センター本館が次世代型研究施設として生まれ変わり見学会が行われた。
従来の研究施設というと、技術の機密性などの問題から閉ざされた空間となってしまう場合が多い。しかし、新しい発見とは自由な世界から生まれるものであり、様々なコミュニケーションから生まれるものである。
本館の研究室ではクリエイティブコート(吹抜け空間)を分野間に配置し、打ち合わせスペース、休憩スペースを設けることで異分野とのコミュニケーションができる空間となっている。
見学会では、クリエイティブコートはパネルなどの展示スペースとなっており、実際の使用状態を見ることはできなかったが、その開放性やデザイン性には堅苦しさはなくリラックスできる自由な空間であると感じた。また、使用者である研究者自身が開発した新技術をふんだんに使い、より研究意欲を掻き立てていると感じた。
外部とのコミュニケーションでは、エントランスホールの天井躯体を撤去し、吹抜け空間とし全面ガラスとすることで開かれた明るい空間へと変貌している。研究者同士の内部ではクリエイティブコート、外部とはエントランスホール、内部と外部の中間にはオープンミーティングスペースを配することでセキュリティにも対応しているといえる。
新技術としてはコンパクトダブルスクリーン、ダクタルAF、全面床吹出空調など数多くの技術が使われているが、私が最も興味を持った技術はパーソナル空調・設備ユニットである。
座席ごとに空調を設定でき、個人のPCにより自席の空調を操作することができ、照明器具とも連動しており照明が消えると自動的に空調も停止する技術である。空調の感じ方は個人によっても体調によっても違うものであり、個人で調節できるという技術は非常に画期的なものである。自社の新しい技術の場をみることで、少なからずは自分も新しい技術の開発に携わることができるという楽しみも作ることができた。
技術センター本館リニューアルは、正直、構造的観点から見るというより、意匠や設備の観点で見た方が興味深いと感じたが、自分の分野に固執するのではなく、幅広くの興味をもち幅広い観点からみることが自分の分野にも幅を持たせ、よりレベルの高い仕事ができるということを再確認できる見学会であった。