「東陽テクニカ テクノロジーインターフェース センター」見学
木幡 理朗(建築)
2005年入社
東陽テクニカを見学する前に、平面図を描いていて「周囲に圧迫された敷地だな」と思いました。とても細長くて狭い形状、接面した川、かすめるように走っている高速道路、反対側に建っている高いビル。これらを見る限りでは、決して恵まれた条件ではありません。
しかし、実際に現場を訪れて、建物を見てみると、たくさんあった悪条件がむしろ好条件として建築に取り込まれていました。
細長いプランにすることで、全室ダブルスキンに面した配置が可能になっていることや、接面した川や高速道路があることで日射が確保されている。
限られた条件や制約をうまく利用した建物が建つことで、場所性を変化させることができるのだなと思いました。そして、当社の言葉である「地図に残る仕事」というのはこういう建物を言うのだと思いました。
製図については、久しぶりのことで新鮮に感じました。
全体の流れはとてもよかったと思います。
- まず図面に目を通し、全体をおおまかに理解する
- 現場で実物を見て、最初の印象と違うところや、理解できなかった場所の確認をする
- 実際に手で図面を描くことで細かい部分での設計者の意図やおさまりを知る
今後、効率化の波に押されて手で描く機会はあまりないと思います。しかし、図面から「多くの情報を読み取る」ことの原点は手で描くことにあると思います。
スケッチでもフリーハンドの図面でも、とにかく手を動かすことを心掛けたいと思います。