サッシ工場見学
- 協力:不二サッシ株式会社千葉工場
米澤 俊樹(建築)
2003年入社
見学ではアルミ建材を作り出すためのダイス製作から見ることができた。アルミ建材は押し出し、ということはなんとなくわかっていたが、実際に高度な機械技術と職人の勘によって作り出されるオス型・メス型のダイス製作を目の当たりにし、また、その複雑な形状から如何にしてアルミが押し出されていくのかということを理解するにつれて、その三次元的な思考が必要とされる製作過程に驚嘆せずにはいられなかった。
放電加工機・ワイヤー加工機等、世界的に見てもトップクラスの水準を誇る機械群を用いたその製作能力は、採算を度外視すれば建築の延長にあるヒューマンスケールのプロダクトデザインにも応用できるものと確信した。材料としてのアルミの可能性もさることながら、その製作過程を見ることによって、同等の材料に対する可能性の広がりというものを考えることができるようになると思う。完成品ではなく、完成品が生まれる過程を知ることは、材料に対する発想の広がり、応用の幅を広げてくれるという意味で非常に有意義であったと思う。同時に、スチールやアルミといった工業製品は、ともすれば人工的に生み出されるもの、という認識をしてしまいがちであったが、現状として南米やカナダ・オーストラリアといった国々からの輸入に100%依存しているということを知り、流通等に非常に左右される有限の天然資源であるということも改めて認識することができた。
この見学を通して、やはり、モノの生み出される過程を理解しなければ、そのモノを本当に理解することはできないし応用することもできないのだということを改めて知ることができた。