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2016.06 「鳥取県庁舎」が公共建築賞優秀賞を受賞


久松山から見た鳥取県庁舎

本庁舎正面見上げ

議会棟別棟クロスウォールメタル

本庁舎免震層

一般社団法人公共建築協会が主催する「第15回公共建築賞」において、当社共同設計・共同施工作品である「鳥取県庁舎」が優秀賞を受賞しました。
公共建築賞は、優れた公共建築を表彰することにより、公共建築の総合的水準の向上に寄与することを目的としたもので、ひろく公共建築のあるべき姿についての意識を啓発し、より優れた公共建築を生み出すことに役立たせたいというものです。
評価の基準として、設計施工が優れているということのみでなく、地域社会への貢献や施設の管理保全といった視点からも、評価を行うこととしており、そのため竣工後3年以上経過したものを対象としています。

「鳥取県庁舎」は、1962年に竣工し長年に渡り県政の中心として県民に親しまれてきました。
1995年の阪神淡路大震災の発生に伴い耐震診断を行った結果、本庁舎・講堂・議会棟・議会棟別館の4棟に耐震安全性に問題があることが判明し、建替えの可能性も含めて県議会や庁内での検討が重ねられ、現在の建物を耐震改修して使い続けることが決定しました。
改修にあたり、「耐震構造計画の適正」「県民サービスの継続性の確保」「建築後100年の使用目標を実現する利便性・デザイン性の確保」をもっとも優先すべき課題と捉え、最適な改修構法の採用のための検討を重ねました。
本庁舎は執務を継続したままで改修が可能な免震レトロフィット工法(基礎免震)を、その他の棟は強度靱性増加型の補強工法を採用し、劣化が進行し地震時に落下する危険性が指摘されていた非構造部材(外部建具と外壁タイル貼り)も改修することとし、外壁に断熱パネル、外部建具に複層ガラスを採用することで省エネルギー化を図っています。
これらの改修により、本庁舎は基礎免震工法による高い耐震安全性を確保しながら、外観上は新築と見紛うほどに一新、同時に外壁と建具を改修することにより非構造部材の落下防止、躯体の劣化防止に加え高断熱化を図ることで、庁舎の省エネルギー化と建築物の長寿命化を推進することができました。
本事業は、最新の建築技術力を活用して高い耐震安全性を確保するとともに、既存建物の有効利用と継承、維持管理費の縮減を同時に図ることが可能であり、今後の公共施設のあり方を示すモデルケースとなりうる点を高く評価されました。

鳥取県庁舎
事業者 鳥取県
所在地 鳥取県鳥取市
用途 県庁舎
構造 鉄筋コンクリート造(本庁舎、講堂、議会棟、議会棟別棟)
規模 地下1階、地上7階(本庁舎)
地下1階、地上2階(講堂)
地下1階、地上3階(議会棟)
地下1階、地上3階(議会棟別棟)
竣工 2011年11月
設計・監理 大成建設・桂設計事務所特定設計業務企業体
施工 大成建設・大和建設特定建設工事共同企業体