2012.11 宮城県女川町に津波を受け流す減災冷凍冷蔵倉庫が完成
宮城県女川町に、レベル1津波(100年に1回程度の発生回数を想定したレベルの津波)に耐えることができる津波対策型冷凍冷蔵倉庫が当社の設計施工で完成しました。
女川港は古くから天然の良港として栄え、さんま漁では日本有数の水揚げ量を誇りました。
しかし、2011年3月の東日本大震災で町と共に港の水産施設も甚大な被害を受けました。
町の復興を願う情熱とこれを支える多くの支援のもと、大津波や大地震などの自然災害に対応した、新時代を切り拓く新しい冷凍冷蔵施設として2012年秋に誕生しました。
波の圧力を受け流して建物をまもる
津波が建物におよぼす圧力は、地震力を上回ります。
レベル1の津波(6mを想定)が襲来した場合、津波を受けた1階外壁パネル(ALC版)が外れることで津波の力を受け流し、建物を支える柱や梁、床スラブ(主要構造部)を守り、2階の冷蔵庫内の商品を守る計画としています。
さらに、1階の柱は潮風に劣化しにくく津波漂流物の衝突にも耐えられる頑強な鉄骨鉄筋コンクリート造とし、杭は津波で地盤表土がえぐられ消失しても転倒しないように通常より深く打ち込むことにより、「安全・安心」を確保しています。
一日も早い地域の復興をささえる
被災後の復旧活動に必要となる設備や物資を最上階にまとめ、津波の浸水被害から守ることで、津波の引いたあとの即座の復旧活動を強力にサポートする地域の「復興拠点」の役割を担います。
MASKAR(多機能水産加工施設) | |
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所在地 | 宮城県牡鹿郡女川町 |
発注者 | 女川魚市場買受人協同組合 |
用途 | 冷凍冷蔵倉庫 |
構造 | (1階)鉄骨鉄筋コンクリート造 (2~3階)鉄骨造 |
最高高さ | 22.95m |
延床面積 | 6,932.49m2 |
冷蔵庫 | 約6,000t |
凍結庫 | 約50t |
竣工 | 2012年10月 |
設計 | 大成建設株式会社一級建築士事務所 |
施工 | 大成建設株式会社東北支店 |