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NEWS2003

2003.07 「SME六番町ビル」が日本建築学会2003年作品選奨を受賞

外観
光が差し込むライトウェル
グリッド状に分割されたファサード
自然光を取り入れた明るい地下食堂

美しいデザインと省エネ機能の両立

当社が設計を手がけたソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)の本社ビル、「SME六番町ビル」(東京都千代田区)が、そのデザインと機能を評価され、2003年度日本建築学会作品選奨を受賞しました。本賞は、作品およびその設計者に与えられるもので、これまで総合建設会社の受賞は数少なく、当社の受賞もこれが初めてです。

かつての武家の屋敷町、六番町に位置する当ビルは、地上6階、地下2階の中層ビル。建物中央部ELVホール両脇に、階段のある吹き抜けと2階から6階まで貫通したライトウェルを設けて、明るく開放的なオフィス空間をつくりあげています。「この2つの『光の筒』によって、内部に自然光の広がりをもたらし、各階で閉塞しがちなオフィスに、オープンなつながりを与えることに成功しました。供用開始は一昨年5月で、社員の方の評判も上々です。SMEは音楽ビジネスのリーディングカンパニーであり、あらゆるシーンにおける快適性と機能性、またデザインの両立を目指しました。『光の筒』も、居住性向上に加え、日中の電気消費量の低減に貢献し、ランニングコストを抑えています。他にも、氷蓄熱方式、雨水再利用、照明のセンサー制御、夜間の外気を日中の室内冷却に利用するナイトパージなど、省エネ対策を数多く採用しました」
(札幌支店建築グループ 塚田哲也 GL)

「省エネ機能と快適性、さらにデザイン性を一致させたことは、当ビルの大きな特徴です。ファサードは、町の歴史を意識し、和の風情を感じさせる『格子』をイメージしたデザインですが、この庇部分は、直射日光をカットし、建物内の空調負荷を抑える役目も果たしています」
(設計本部建築グループ 伊勢季彦 PA)

建物、地域、地球・・・3つの環境に配慮

室内環境のみならず、周辺環境、ひいては地球環境への配慮も、設計にあたっての大きなテーマでした。中でも既存建物の基礎部分を残して活用、解体を少なくしたことも特筆すべき点です。「廃棄物や工事の際の騒音を少なくしたいと考えたのです。結果として、コスト抑制や工期短縮も実現しました。また街の景観にあわせるため、ビルを道路から9m下げて緑地帯を設置しました。当ビルは、奇をてらうことなく設計したオーソドックスなオフィスビルですが、費用対効果や環境への負荷を計算し尽くして、実際に効果を上げています。働く人や町の人々の気持ちに寄り添う、居心地のいい建物。それが、これからのオフィスビルのスタンダードな形なのではないかと思います」
(設計本部 橋本緑郎 統括GL)