WORKS 2023

パナソニック 空質空調社 草津 執務・技術棟

Panasonic Heating & Ventilation A/C Company Kusatsu Office and Engineering bldg.

  • 南側外観:「用・強・美」を細部まで徹底しパナソニック社のプロダクトデザイン思想を体現

  • メカニカルバルコニー:設備機器の更新性と安全性に配慮

  • エコロジカルガーデン:緑の記憶を継承する人や風が通り抜ける庭

  • 1階大物実験室:人々の憩いの場となるエコロジカルガーデンを臨む開かれた実験スペース

  • 2階執務室:多様な働き方を促し、従業員同士の交流を促す

  • 3階開発事務所:空調設備機器の更新に優れた無柱のフレキシブルワークプレイス

  • 4階開発事務所・小物実験室:実験ユニットの実装に対応した階高5.8mの開放的なワークプレイス

  • 吹抜階段:4層の吹抜空間はコミュニケーションの核となり、従業員の心と体を健やかにする

  • 吹抜階段外観(夜景):実験や働き方に柔軟に適応する各階のフレキシブル空間

  • 南側外観(夜景):余計なものはそぎ落とし必要なものを磨きぬいた末にたどりついたシンプルで美しいかたち

用途
研究所
所在地
滋賀県草津市
延床面積
9,657.55m2
階数
地上4階、塔屋1階

建築設計コンセプト

みんなで育てる実証実験の場

空調機の製造・開発を行うパナソニック草津拠点の敷地内に「新技術・執務棟」を計画しました。今後の更なる成長に不可欠な革新的な技術の創出と生産性向上を目指した、健康で快適に働く環境のロールモデルとなる拠点です。施主のプロダクトから感じられる細部へのこだわりを建築においても徹底し、用・強・美を兼ね備えた建築を実現しました。

地球環境に優しい省エネ技術の開発を行う新技術・執務棟は、「心と体の健やかさを大切に、社員同士のコラボレーションを促し、みんなで育てる実証実験の場」をテーマとし、5つのコンセプトを掲げました。

【Flexible Lab】
将来の拡張性を考慮した変化に柔軟な空間として、20mのロングスパンの架構で無柱のフレキシブルワークプレイスを実現しました。
【Sustainable Lab】
建物の東西長さを最大化し直達日射を低減し、南面は有孔折版で日射遮蔽する環境的なファサードを設け、自社の省エネ製品も活用することで、ZEB Ready を達成しました。
【Customizable Lab】
3・4階の実証実験オフィスは、空調機の更新がしやすいようスケルトン天井の執務空間とし、室外機置場となるメカニカルバルコニーを設けて設備更新をしやすい研究開発環境を設えました。
【Wellness Lab】
ひらかれたオープンな実験エリアと、コミュニケーションの核となる4層吹抜けの階段を設け、従業員の心と体の健やかさを大切に、社内コラボレーションを促す場を生み出しました。
【Green Lab】
従業員の憩いの場であった建設前の緑地の記憶を継承し、隣の食堂棟との離隔をできるだけ大きくとり散策路を兼ねたリフレッシュガーデンを設けました。

構造設計コンセプト

執務空間全面を無柱とする構造計画

18.9mのロングスパン梁により、各階88.4m×18.9mの無柱空間を形成しています。
外壁に沿って両方向に座屈拘束ブレースを配置することで、耐震性能を向上させています。ロングスパンの執務空間床に対しては歩行などによる振動環境予測検討を行い、快適な執務空間を提供しています。

設備設計コンセプト

客先製品を活用しZEB Readyを達成する設備計画

外皮性能の向上と窓面積の適正化、高効率な電気式ビル用マルチエアコンとガスヒートポンプエアコンや高効率LED照明器具の採用により、消費エネルギーを削減しつつ、最新製品を生み出す研究所としての高い機能を併せ持つ建物を実現しました。照明計画では、研究所として必要な照度を確保しつつ、昼光センサによる自動調光や人感センサを用いた不在エリアの減光を行うことにより、高い省エネ性能を実現しています。
これらの技術導入により、53%のエネルギー削減を実現し、ZEB Readyを達成、認証取得しました。

担当

担当
設計 大成建設株式会社一級建築士事務所
大成建設担当者
建築設計 宮崎伊佐央、勝又洋、桂悠花、阮光峻、郭皓陽
構造設計 有山伸之、小野森司
設備設計 岸野豊、長徹
電気設計 岸野豊、林幸広

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