NEWS 2024.12

「ひろしまゲートパーク」がグッドデザイン賞・
「SHIMINT HIROSHIMA」がひろしま街づくりデザイン賞大賞を受賞

  • プロムナード

    プロムナード:原爆ドームを結ぶ平和軸を可視化し、日常的な子どもたちの遊び場となるカスケードを設置
    ©NEW HIROSHIMA GATE PARK

  • 北東側俯瞰

    北東側俯瞰:旧広島市民球場の骨格をなぞることでそのスケール感を想起させ、記憶を継承する広場・店舗・緑地の3つの輪
    ©NEW HIROSHIMA GATE PARK

  • 南東側入口

    南東側入口:街から店舗やイベント広場へと人々を誘引する公園のメインゲート
    ©NEW HIROSHIMA GATE PARK

  • 大屋根ひろば

    大屋根ひろば:イベントだけでなく日常的な使われ方に配慮した森のような大屋根空間
    ©NEW HIROSHIMA GATE PARK

  • 木造店舗テラス

    木造店舗テラス:公園と調和する樹状柱で支える連続した軒下が居心地のよい日常的空間を与える

当社設計・当社施工作品の「ひろしまゲートパーク」が2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
また、「ひろしまゲートパーク」内の商業施設である「SHIMINT HIROSHIMA」が第19回ひろしま街づくりデザイン賞大賞(街並み部門)を受賞しました。

公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催するグッドデザイン賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。

GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org):https://www.g-mark.org/
ひろしまゲートパーク:https://www.g-mark.org/gallery/winners/20922

広島市が主催するひろしま街づくりデザイン賞は、広島市の魅力ある街づくりに対する市民意識の高揚を図ることを目的に、広島市の街並みや自然への配慮がなされ、良好な景観の形成に貢献している建築物や看板、活動などを表彰しています。
その中でも街並み部門は、建築群や看板、街灯の形や色などについてルールを定めて魅力ある街並みとした住宅団地や商店街、歴史・文化を生かして趣のある空間を形成している遊歩道や街並み、ライトアップして昼間とは異なる魅力を演出した夜間景観など、魅力的な街並みをつくり出しているものを選出しています。
大賞は、各部門で受賞したものの中から特に優れたものに授与されます。

ひろしま街づくりデザイン賞(都市デザイン):https://www.city.hiroshima.lg.jp/life/3/73/431/

ひろしまゲートパーク

地域の新たな活動拠点が生みだすにぎわいと波及効果

概要

Park-PFI制度を活用し旧広島市民球場跡地を木造店舗とイベント広場の一体的な公園に再生しました。旧市民球場の記憶や平和記念公園から延びる平和の軸線を尊重しながら、日常的に市民が憩えて、かつ多彩なイベントを開催できる空間を創出しました。広島都心部西エリアの賑わい回帰と回遊性向上を目指した、市民の新たな拠点です。

デザインのポイント

1.日常的な市民利用と多彩なイベント開催を両立させた公園による広島都心部西エリアの賑わい回帰と回遊性向上
2.旧市民球場の記憶の保存や先人たちが構想した平和の軸線などの顕在化による歴史性の尊重
3.温暖な瀬戸内気候のもと、屋外で過ごす時間を楽しむ広島ならではのライフスタイルの醸成

背景

計画地は広島都心部西エリアに位置し、かつては市民球場を起点に市民の賑わいの中心でした。市民球場移転以降は、暫定利用のイベント広場として一定の集客機能を果たした一方、エリアの魅力と賑わいは衰退していき広島都心部のボイドとなっていました。
そして、市民からのエリア再生の期待が集まる中、本計画はPark-PFI事業として発足しました。課題は約4.7haの広大な計画地にどのように恒常的な賑わいを育むかということでした。市民球場移転により計画地周辺の活力が減衰したことから、イベント開催だけでなく日常的に市民が憩う役割も兼ねる空間こそがエリア再生には不可欠であると考えました。旧市民球場が愛された所以は、そこでの活動は市民の日々の営みであり、恒常的な賑わいとして、街の個性や魅力になったことでした。そこで本計画では、「市民の日常風景に溢れる安らぎ」と「イベントが生む特別な興奮」のサイクルが再生することを目指しました。

経緯とその成果

穏やかな瀬戸内気候のもと日常的に屋外時間を楽しむ広島の「ライフスタイル」に着目しました。居心地のよいテラスや木蔭など、気分に合わせて利用できる多種多様な滞在スペースを提供することで、市民が立ち寄り佇みたくなる公園づくりを行いました。
また、木造の大庇とテラスを中間領域として計画し、広場や店舗が創る賑わいを周辺街区へシームレスにつなげています。さらに、広大な敷地に新サッカースタジアムや周辺街区へ誘導する散策路を巡らせ、街の回遊性を向上させました。
加えて、旧市民球場のスケールを彷彿させる建物配置やメモリアルの保存により土地の記憶を継承するとともに、平和記念公園から続く平和の軸線を顕在化させるプロムナードを整備しました。その先には子供たちの笑顔が溢れる遊び場を創り、先人たちの想いも受け継ぐ公園としました。本計画ではエリア再生の基盤となるだけでなく、風土に合ったライフスタイルの醸成によって広島の魅力を発展させることを試みました。

建物概要

  • 建築主
    NEW HIROSHIMA GATEPARK
    (共同事業体:NTT 都市開発+大成建設
    +広島電鉄+中国新聞社+広島バスセンター
    +NTTアーバンバリューサポート
    +NTT ファシリティーズ+ シーケィ・ テック+ NSP 設計)
    所在地
    広島県広島市中区基町5番1
    用途
    物販店舗、サービス店舗、事務所、飲食店、ごみ庫、休憩所、公衆便所
    構造
    木造、鉄骨造
    階数
    地上1階または地上2階
    敷地面積
    28,029.97m2
    建築面積
    3,555.85m2
    延床面積
    4,741.22m2
  • 工期
    2022年5月 ~ 2023年3月
    設計
    大成建設株式会社一級建築士事務所
    施工
    大成建設株式会社中国支店
WORKS:
ひろしまゲートパーク
NEWS:
「ひろしまゲートパーク」がウッドデザイン賞2023入賞

大成建設担当者

  • 服部光宏
    建築設計
    服部光宏
  • 常田悠太
    建築設計
    常田悠太
  • 本田偉大
    建築設計
    本田偉大
  • 藤永直樹
    構造設計
    藤永直樹
  • 根本昌徳
    設備設計
    根本昌徳
  • 藤澤亜子
    ランドスケープデザイン
    藤澤亜子

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