当社が株式会社みやちゅうと共同で開発した24時間換気給気口用消音器「T-Silent® Sleeve -静換気-」が2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催する当賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org):https://www.g-mark.org/
静換気:https://www.g-mark.org/gallery/winners/23897
T-Silent® Sleeve -静換気-
「T-Silent® Sleeve -静換気-」断面図
概要
住宅で設置が義務化されている24時間換気用給気口は、外部騒音の侵入経路となるため、意匠性や通気性能が低下する防音ベントキャップによる騒音対策が従来行われてきました。「T-Silent® Sleeve -静換気-」は、中身の見えない給気スリーブ内に設置可能であり、防音ベントキャップと同等の遮音性能を備えつつ、意匠性や通気性能を改善するサイレンサーです。
デザインのポイント
1.「外観の自由度をデザイン」給気スリーブの中が消音器となっており外側のベントキャップを自由に選択可能
2.「通気性能をデザイン」屋外の空気をスムーズに室内に流す形状!雨水の侵入を防ぐラッセル形状
3.「遮音性能をデザイン」容器に秘められた3つの効果で日本で初めての遮音性能を実現
背景
タワーマンションをはじめとする集合住宅は、比較的利便性の高い場所に建設されることが多く、周辺の道路交通騒音や鉄道騒音に代表される外部騒音の居室内への侵入に対する騒音対策が必要となります。近年では多様な働き方が浸透し、比較的外部騒音が大きい日中の時間帯に自宅でテレワークを行うという場面も増えてきており、これまで以上に住宅における遮音性能に対する要求が高まりつつあります。外部騒音の遮音対策としては、24時間換気給気口の外壁側に比較的大きな防音ベントキャップを設置するのが一般的ですが、美観を損なう恐れもあります。そこで新築だけでなく既存建物に対しても適用可能な騒音対策技術として、外から「見えない」給気口の内部に着目し「T-Silent® Sleeve -静換気-」の開発を進めることとしました。
経緯とその成果
「T-Silent® Sleeve -静換気-」開発の最大の課題は、給気口内部の狭小空間に挿入し、通気性能を確保しながら防音ベントキャップと同等の遮音性能を実現することでした。 屋外の空気をスムーズに屋内に流す新幹線の顔の様な容器形状と、以下3つの遮音効果を秘めた容器形状で、通気性能と遮音性能を共存させました。給気口内に2つの容器を一定間隔あけて設置したサイレンサー効果と、容器前面に数の異なる小さな穴を空けた2つの部屋による共鳴効果と、容器背面に天然石ゼオライト粒状体を組込んだ吸音効果で、日本初のΦ100で遮音等級T-2相当、Φ150で遮音等級T-1相当を達成しました。
「『見えない』をデザイン」することで外観デザインの自由度を上げました。また、石油系資源だけでなく、石灰石を主原料とした株式会社TBMのLIMEXペレットを原材料とした環境配慮型「T-Silent® Sleeve -静換気-」もラインナップし、カーボンニュートラルな取り組みも行っています。
技術概要
- 用途
- 住宅・マンション用24時間換気給気口用消音器
- 開発
- 大成建設株式会社、株式会社みやちゅう
- 製造・販売
- 株式会社みやちゅう
大成建設オフィシャルサイト > 企業情報 > ニュース > 2023年度 >
24時間換気給気口用消音器「T-Silent® Sleeve -静換気-」を開発
大成建設担当者
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- 建築設計
- 清水悟