当社設計・当社施工作品の「関電不動産八重洲ビル」が2024年度グッドデザイン賞を受賞しました。
公益財団法人日本産業デザイン振興会が主催する当賞は、総合的なデザインの推奨制度です。
デザインによって私たちの暮らしや社会をよりよくしていくための活動であり、1957年の開始以来、シンボルマークの「Gマーク」とともに広く親しまれてきました。
当賞は、製品、建築、ソフトウェア、システム、サービスなど、私たちを取りまくさまざまなものごとに贈られます。かたちのある無しにかかわらず、人が何らかの理想や目的を果たすために築いたものごとをデザインととらえ、その質を評価・顕彰しています。
GOOD DESIGN AWARD (g-mark.org):https://www.g-mark.org/
関電不動産八重洲ビル:https://www.g-mark.org/gallery/winners/20756
関電不動産八重洲ビル
概要
東京駅至近に建つ次世代型テナントオフィスビルです。フリーアドレスやABW、リモートワークなど働き方の多様化をふまえ、従来型テナントビルの提供価値から転換を図るパイロットプロジェクトと位置づけ、ワーカーの快適性や創造性を高め、コミュニケーションを活性化する仕掛けを随所に設け、「ビルまるごとワークプレイス」の実現に挑戦しました。
デザインのポイント
1.クライアントチームと設計チームが過去に手掛けたテナントオフィスビルの使われ方を仔細に分析し設計に反映
2.従来型テナントビルには見られない、オフィスキッチンやプライベートテラスを専用部に実装
3.省エネとウェルネスを両立するスマートオフィス(ZEB ReadyとCASBEE-WO Sランク取得)
背景
テナントオフィスビルは、使われ方が様々で使い手も入れ替わることから、汎用性や均質性、効率性を重視した画一的な仕様が確立されてきました。しかし近年、働き方改革やコロナ禍、雇用情勢の変化等を背景に「働く場所、働く人の多様化」「労働生産性向上」といった社会的なテーマへの対応も求められています。また、本ビルのような中小規模の建物は、費用対効果の点から一般的に大規模な建物と比較して、省エネルギー技術を積極的に導入することが難しいと言われています。
本ビルでは「働き方」提案型オフィスというテーマを掲げ、オフィス計画・運営のノウハウを豊富に有したクライアントチームと設計チームとが協働し、次代を見据えた新しい発想による新しいオフィスづくりに挑戦しました。画一的なオフィスプランを超えた、専有部/共用部、外部/内部が混ざりあう有機的なゾーニングからなる空間を目指しました。
経緯とその成果
過去に手掛けたビルでのワーカーアンケート及びヒアリング、利用実態調査、エネルギーマネジメントから得られた知見を活かし、ワーカーの快適性や創造性の向上、コミュニケーション活性化につながる建物側の仕掛けを多数実装しています。
外気を感じられる専有部内2つのプライベートテラスと接続するコンセプトワークプレイスは、キッチンを実装した空間とし、社内外の交流スペースとして利用できます。テナント料理教室や新入社員歓迎会の開催など、クライアント自らもトライアルオフィスとして利用し、社内外コミュニケーション活性化に取り組んでいます。
アイコニックなクリエイティブテラスや、五感を刺激するEVホールのアートはワーカーの創造性向上に寄与しています。
+αのニーズに応えるジェンダーフリー個室トイレやRefresh,Recharge,Resetの機能を加えた基準階トイレ、過去実績の分析に基づく設備制御はワーカーの快適性を向上させています。
建物概要
- 建築主
- 関電不動産開発株式会社
- 所在地
- 東京都中央区京橋一丁目
- 用途
- 事務所、物販店舗、駐車場
- 構造
- 鉄筋コンクリート造、鉄骨造
- 階数
- 地下1階、地上13階、塔屋2階
- 敷地面積
- 1,352.29m2
- 建築面積
- 1,063.73m2
- 延床面積
- 13,490.51m2
- 工期
- 2020年9月 ~ 2022年5月
- 設計
- 大成建設株式会社一級建築士事務所
- 施工
- 大成建設株式会社東京支店
- WORKS:
- 関電不動産八重洲ビル
大成建設担当者
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- 建築設計
- 中藤泰昭
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- 建築設計
- 藤本鉄平
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- 建築設計
- 古畑文子
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- 建築設計
- 酒井江梨子
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- 構造設計
- 青野英志
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- 設備設計
- 平井宏幸
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- 設備設計
- 小倉三奈実
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- 電気設計
- 吉田幸生